2015 Fiscal Year Annual Research Report
ミドリゾウリムシ-クロレラ共生系のPV膜分化機構のラマン分光法による解明
Project/Area Number |
26650133
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
山本 達之 島根大学, 生物資源科学部, 教授 (60230570)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
児玉 有紀 島根大学, 生物資源科学部, 准教授 (80582478)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | ラマンスペクトル / 共生進化 / ミドリゾウリムシ / クロレラ / 食胞膜 / PV膜 |
Outline of Annual Research Achievements |
ミドリゾウリムシと共生藻のクロレラの共生系は,両者を別々にしても単独で生存可能であることから,真核生物同士が正に共生進化を行っている途中のモデル生物として注目を集めている。両者の共生の鍵を握る,食胞膜からPV膜への変化を,これら膜の分子構造変化の点に着目して,ラマン分光法によって研究を行った。 最終年度のである平成27年度は,PV膜が極端に薄く(厚さ0.1μm程度)て,その分子組成すら明らかになっていなかったために,我々は銀ナノ粒子を食胞膜とPV膜にコートした後に,表面増強ラマン分光法(SERS)を用いて,SERSスペクトルの測定を試みた。残念なながら,再現性のあるSERSスペクトルの測定ができなかったために。その後,通常のラマンスペクトル測定を行って,得られたスペクトルから,PV膜に変化する前の食胞膜に特有にラマンスペクトルを抽出することを試みることにした。 非不拘束マルチベリアイト解析を行って,ラマンスペクトル成分の抽出を行った結果,食胞膜由来と推定されるラマンスペクトル成分を得ることに初めて成功した。今のところ,PV膜由来のラマンスペクトル測定は,出来ていないが,本研究によって提案した手法によって,原理的に食胞膜とPV膜のラマンスペクトルの比較が可能であることが示された。 ラマンスペクトル測定とは別に,成蹊大学の青柳里果博士の協力によって,食胞膜とPV膜のTOF-SIMSスペクトルの測定も行った。この結果についても現在解析中である。
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Research Products
(21 results)