2014 Fiscal Year Research-status Report
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26650170
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
平崎 鋭矢 京都大学, 霊長類研究所, 准教授 (70252567)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | Structure from motion / ロコモーション / 3D再構成 / 霊長類 / 無標点計測 |
Outline of Annual Research Achievements |
動物にマーカーをつけることなく、高精度の運動解析を可能にする「無標点3D運動解析法」を開発した。開発は、Structure from Motion法、つまり、大量の多視点静止画像から対象物表面の3D再構成を行う写真測量法の一種をベースに行った。静止画用のこの方法を動画解析用に拡張するには、画像の質と視点の数が問題であった。本年度は、まず、できるだけ少ないビデオカメラ(視点)からの映像で、対象の3D再構成を達成するための最適条件を探った。その結果、業務用の高解像度のビデオカメラを、光軸が互いに10度程度の角度をなすように配置すれば、最少で4台分の映像から対象物の片側の表面形状を3D再構成できることが判明した。次に、カメラ間の同期をとり、映像をフレーム毎の静止画像に展開する手法を確立した。カメラ間同期については、市販の同期信号発生装置からの信号を各カメラに入力するとともに、ハンドメイドのトリガー信号発生装置で同時に録画を開始する方法をとった。映像のフレームへの展開には、ffmpeg等のフリーソフトを用いた。 さらに、確立した手法を、実験室、および放飼場で運動する霊長類の身体表面形状3D再構成に試用し、手法の精度と実用性を評価した。具体的には、京都大学霊長類研究所において、業務用ビデオカメラ4台を用い、実験室内でトレッドミル上二足歩行を行うニホンザル、放飼場で自由に地上および樹上四足歩行を行うニホンザル、屋外運動場で自由に動くチンパンジーのナックル歩行とロープ上歩行等を撮影し、その映像から被験体の体表面の手前側面の3D形状を再構成した。その結果、ビデオカメラの設定条件や撮影条件によって精度は左右されるものの、再構成は概ね可能であることが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
交付申請書に記載した研究目的は、無標点3D運動解析法の開発と評価であった。26年度は、3D再構成の手法開発とその評価を行う計画であったが、それらのいずれも達成できたため。
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Strategy for Future Research Activity |
3D再構成の結果はポイントクラウドとして出力されるため、そこから運動学パラメータを抽出する手法が必要となる。今後、その開発を行う。プログラムが完成し次第、実験室、および放飼場場面での霊長類の運動解析に用いて、従来の方法との精度等の比較を行う。
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Causes of Carryover |
2015年3月末に行った米国出張の際、旅程に変更が生じた。米国入国審査の待ち時間が想定以上に長く、米国内目的地への予定便に乗り継げなかった。変更後の便は夜間のフライトであったため機中泊となり、現地での宿泊費1泊分との差額分だけ支出が少なくなった。 帰国(旅行終了)が3月30日であったため、旅費の変更分を使用することができなかった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
「次年度使用額」は11,236円であり、27年度の旅費に加算して使用する。
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