2014 Fiscal Year Research-status Report
化石化したStowawayファミリー転移因子の蘇生
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26660005
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
築山 拓司 京都大学, (連合)農学研究科(研究院), 助教 (00423004)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 転移因子 / MITE / イネ / Stowaway |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、iPyongを活性型に再構築することでPyongの転移機構を明らかにし、StowawayファミリーMITEがどのようにしてゲノム進化を牽引したかを理解しようとするものである。 本年度は、まず、日本晴ゲノムにおいて転移活性を有する可能性のあるPyongを同定するために、反復配列を検出するプログラムであるRepeatMaskerを用いて日本晴におけるPyongを探索した。その結果、日本晴においては、染色体5および10を除く全ての染色体にPyongと高い相同性を示す23のPyong様因子(Pyong1-1~Pyong12-2)が座乗することが明らかになった。野生イネにおけるPyong様因子の挿入多型の比較から、日本晴で同定されたPyong様因子のうち、Pyong9-2はジャポニカとインディカが分化した後に生じた新しい因子であり、未だ転移活性を有するのではないかと考えられた。しかし、Pyong9-2のみならず、いずれのPyong様因子も脱メチル化剤5-アザシチジン処理によっては活性化しなかった。O. meridionalisでは他のAAゲノム種と比較してPyong様因子の挿入多型が多く見られたことから、O. meridionalisにはPyongの転移を触媒する自律性因子が存在するのではないかと考えられた。そこで、再度、RepeatMaskerを用いて自律性因子の探索を試みたところ、Tc1/mariner様の転移酵素のコード領域と相同性を示す推定自律性因子OmiPyong (O. meridionalis inactive Pyong, 3253 bp)を同定した。しかし、OmiPyongは、不完全な転移酵素をコードしており、iPyongと同様に転移活性は失われていると考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
HHJJゲノム種の野生イネOryza longiglumisのゲノム中に見出されたiPyong (inactive Pyong)の推定ORFの塩基配列を、イネにおけるTc1/mariner様の転移酵素の塩基配列と再度比較したところ、中途終止コドンのみならず、アミノ酸の欠失を伴う多数の塩基欠失が認められた。このことから、iPyongの再構築には、多様な生物がもつTc1/mariner様の転移酵素のアミノ酸配列を用いてコンセンサス配列を得る必要があると考えられた。しかし、26年度中にはコンセンサス配列を得ることができず、交付申請書に記載した研究計画を遂行できなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度は、AAゲノム種の野生イネO. meridionalisに加えて、トウモロコシにおいて推定自律性因子ZmaPyong (Zea mays active Pyong, 3084bp)を同定した。ZmaPyongは、DNA配列の認識と結合に重要なHTH (Herix tern herix)ドメインと酵素活性に重要なDDEドメインを有するため、完全な転移酵素をコードしている可能性が示唆された。O. meridionalisのゲノム中に見出されたOmiPyongの推定ORFを、ZmaPyongの推定ORFに置換することで、Pyongの自律性因子aPyongが構築できると期待される。そこで、27年度は、まず、ZmaPyongとOmiPyongをクローニングし、OmiPyongの推定ORFをZmaPyongのものと置換したReaPyong (restructured aPyong)を作出する。 次いで、ReaPyongをアグロバクテリウム法によって栽培イネに導入する。ReaPyongは自身のORF上流にプロモーター領域を有すると考えられるが、栽培イネにおいては宿主のエピジェネティックな制御機構によって十分に発現しない可能性がある。そこで、導入に際しては、バイナリ―ベクターpMLH7133 (Mitsuhara et al. 1996)を用いて、ReaPyongのみを導入したコンストラクトとユビキチンプロモーターの下流にaPyongを導入したコンストラクトを作成する。そして、トランスポゾンディスプレイ法を用いてReaPyong導入系統におけるPyongおよびPyong様因子の切り出しおよび新規挿入箇所を網羅的に解析する。
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Causes of Carryover |
26年度は、aPyongの構築に必要なTc1/mariner様の転移酵素のコンセンサス配列を決定することができなかった。研究計画を見直し、当初予定していたaPyongの構築を中止したため、aPyongの構築に必要な試薬等の購入費が次年度に持ち越しになった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
27年度は、トウモロコシのゲノム中に見出された自律性因子ZmaPyongの推定ORFをOmiPyongに導入する予定である。持ち越しとなった経費は、その際の物品費として使用する。
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