2015 Fiscal Year Annual Research Report
化石化したStowawayファミリー転移因子の蘇生
Project/Area Number |
26660005
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
築山 拓司 京都大学, (連合)農学研究科(研究院), 助教 (00423004)
|
Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
|
Keywords | 転移因子 / MITE / イネ / Stowaway |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、iPyong (inactive Pyong)を活性型に再構築することでPyongの転移機構を明らかにし、StowawayファミリーMITEがどのようにしてゲノム進化を牽引したかを理解しようとするものである。 これまでの研究から、iPyongはHHJJゲノム種の野生イネOryza longiglumisおよびAAゲノム種のO. meridionalisに存在するものの(それぞれOl-iPyongおよびOm-iPyong)、いずれの因子も、中途終止コドンのみならず、アミノ酸の欠失を伴う多数の塩基欠失を有していることが明らかになっている。27年度は、まず、Tc1/mariner様の転移酵素のアミノ酸配列を鋳型として、Ol-iPyongおよびOm-iPyongの再構築を試みた。しかし、iPyongの推定ORFの塩基欠失は、アミノ酸の欠失のみならず、スプライシング部位の欠失も引き起こしていたため、Tc1/mariner様の転移酵素との比較による再構築はできなかった。そこで、Om-iPyongをクエリーとしたBLAST検索を行ったところ、トウモロコシにおいて推定自律性因子Zm-aPyong (Zea mays active Pyong, 3084bp)を同定した。Zm-aPyongは、DNA配列の認識と結合に重要なHTH (Helix-turn-helix)ドメインと酵素活性に重要なDDEドメインを有するため、完全な転移酵素をコードしている可能性が示唆された。 Zm-aPyongは末端にPyongと相同性を示す配列を有するものの、そのTIRにはいくつかの塩基欠失が認められた。そこで、Pyong内部にZm-aPyongのORFを組み込んだ人工遺伝子c-aPyongを合成した。現在、アグロバクテリウム法を用いてc-aPyongをイネ植物体に導入を試みている。
|