2014 Fiscal Year Research-status Report
高次倍数性作物種の遺伝解析に有用な、新規活性型レトロトランスポゾンの探索
Project/Area Number |
26660007
|
Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
門田 有希 岡山大学, その他の研究科, 助教 (30646089)
|
Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
|
Keywords | 倍数性 / トランスポゾン / 次世代シーケンス / 遺伝解析 / サツマイモ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、サツマイモ(同質六倍体・他殖性)を対象に、遺伝解析に有用なレトロトランスポゾンファミリーを効率的に同定することである。これにより、高次倍数性・他殖性農作物種の遺伝・連鎖解析の加速化、品種判定マーカーの開発を目指す。これまでの研究実績を以下に示す。
1. 【ゲノム網羅的なLTR型レトロトランスポゾンの同定】植物ゲノムのレトロトランスポゾンの大部分はLTR型に属する。このLTR型レトロトランスポゾンの内部には、PBS(Primer Binding Site)という、異なるファミリー間でも保存性の極めて高い配列がある。そこで、このPBS配列とNGS(Next Generation Sequencing)解析を組み合わせることにより、ゲノム網羅的に多種類のファミリーおよびその挿入部位を同定することとした。サツマイモは、参照配列がないため、マップベース法により挿入部位を同定できない。そこで制限酵素処理したDNAを用いてNGS解析用ライブラリーを作成し、挿入部位を同定した。なお、用いた制限酵素は、6種(KasI, SpeI, AseI, SacI, NcoI, ScaI)である。 2. 【候補活性型ファミリーの選定と品種間】MiSeqによるシーケンスの結果、6,498,082のペアリードを得た。これらリードを用いたクラスタリング解析により、合計2,625箇所の挿入部位を同定した。そのうち、ある品種にのみ見いだされた挿入部位に注目し、候補活性型ファミリーを選定した。 3. 【実験的に品種間挿入多型を調査】2により選定されたファミリーに関して、実験的に品種間挿入多型を調査した。各ファミリーの挿入部位を特異的にPCR増幅し、可視化した。その結果、多様な挿入パターンを示すファミリーがいくつか確認された。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
本年度は、NGS解析用ライブラリーの作成、データ解析、そして確認実験まで終えることができたため、当初の計画以上に研究を進めることができたと言える。最終的な確認実験において、実際に有力な候補をいくつか選定することもできている。
|
Strategy for Future Research Activity |
本年度の成果により、実際に有力な候補をいくつか選定することもできた。そこで今後は、より詳細な配列解析、それらの挿入パターンの調査を行う。それにより、さまざまな遺伝・連鎖解析へ適用可能なファミリーを最終的に決定する。また、本研究内容に関する論文の執筆を進める。
|