2014 Fiscal Year Research-status Report
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26660018
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
原田 竹雄 弘前大学, 農学生命科学部, 教授 (10228645)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 接ぎ木 / 種子 / メロン |
Outline of Annual Research Achievements |
穂木とするメロン品種の種子の種皮を片側中央部位に横一列になるようメスにより傷口を入れ、かつ種子側面の種皮会合部位をメス刃で少し削り取り、根側からメス刃先端を刺し込み入れることにより、種皮の片側1/2を剥ぐことができる。この結果、幼根と子葉の一部が現れる。そこで、メス刃により幼根と子葉の接する部位で横断的に一気に切り込み、結果的におおよそ三角形の形状となる幼根を切り除く。台木とする品種種子にも同様の方法で幼根を獲得し、これを時計用ピンセット(先端に改良を加えた)にてつまみ、穂木側種子の幼根除去跡に正しく入れ込む。この後、できるだけ接ぎ木接点となる面に隙間などが生じないようにしセットして、この両端の接点に、セメダイン 3000ゴールド ゼリー状(セメダイン株式会社製)を極微量、柄付針の先端で塗布する。さらに、剥ぎ取った種皮もピンセットで元の位置に戻して、数か所を接着剤を塗布して、接ぎ木作業が完成する。作業は室温で行ったが、低温が好ましいと考え、氷上に作業前後の種子を保存した。また、これらの作業の一部は実体顕微鏡にて行った。 発芽はプラスチックシャーレ内に水分を適度吸い込ませたバーミュキライト(中粒)状に静置して、24℃または18℃、明所または暗所とした。 結果は、約20%の確率で接ぎ木された個体が発根、発芽してきた。発芽条件をまだ詳細に検討していないが、低温で暗所の条件が安定している結果が得られている。発芽の速度は、無処理のものに比べると2,3日遅れるが、本葉展開までの正常な生育が観察された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
接ぎ木面からカルスが生じ、根が分化する場合が見られる。これは、接ぎ木技法の性質上、できるだけ避ける必要がある。この対策手段として、発芽時の条件を検討している。さらに、成功率をより向上しなければならない。不成功となる理由は、最初の接ぎ木面の完全密着ができていない可能性が高い。
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Strategy for Future Research Activity |
刃、接着剤などの検討し、さらに、発芽条件を検討し、これらを整理する必要がある。最終目的は、これら手作業で行ってきた過程をすべて専用のロボットで行うことを目指すことから、それらの専門技術者からのアドバイスも必要となる。
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Causes of Carryover |
予定していた研究の情報収集に対しては時間がとれずに実行できなかった。そのため、旅費が繰り越された。また、その他として、論文投稿料などを予定していたが、一部のデータが不十分でそれができなかった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
専用ロボット製作計画を実行するため、特定業者との複数回の検討会が必要とされ、そのための旅費が要求される。また、論文投稿を行うための英文校正、投稿料を要求する。
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