2016 Fiscal Year Annual Research Report
The crosstalk between leaves and fruit: Effect of tree factor on fruit ripening.
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26660027
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Research Institution | Kyoto Prefectural University |
Principal Investigator |
板井 章浩 京都府立大学, 生命環境科学研究科, 教授 (10252876)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
及川 彰 山形大学, 農学部, 准教授 (50442934)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | Tree factor / 師管液 / RNA-seq |
Outline of Annual Research Achievements |
収穫後の追熟を必要とする果実においては、葉から果実に移動し、樹上においては果実の成熟を抑制するTree factorの存在が明らかとなっているが、いまだその正体の同定には世界の誰も至っていない。本研究は、未だその正体が明らかでないTree factorについて、今年度は、ニホンナシ‘ゴールド二十世紀’とセイヨウナシ‘アレキサンドリン・デュイヤール’を用いて、tree factorの影響を明らかにすることを目的として実験を行った。収穫適期および収穫適期1ヶ月前の果梗に環状剥皮を施して師管の物質輸送を阻害し、果実形質への影響、果肉成分のメタボローム解析、RNA-seqによる発現解析、qRT-PCRによる発現解析の調査を行い、さらに、果梗師管液のRNAの発現解析を行った。環状剥皮処理により、特に収穫適期で、有意差は認められなかったものの、果肉の軟化傾向が見られた。前年までにtree factorの影響下にあると考えられる43の遺伝子についてqRT-PCRを実施したところ、収穫適期の‘アレキサンドリン・デュイヤール’でストレス応答に関連する遺伝子など7遺伝子の発現が増大し、ABA代謝酵素遺伝子など3遺伝子の発現が減少した。一方、‘ゴールド二十世紀’ではフラボノイド糖転移酵素の遺伝子など4遺伝子の発現が増大し、細胞壁関連のキナーゼなど5遺伝子の発現が減少した。また両品種で、ジャスモン酸関連の遺伝子の発現傾向に共通性が見られた。果梗の師管液からいくつかの遺伝子の増幅が確認でき、今後師管液に存在する遺伝子の網羅的分析が可能になると思われる。
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