2014 Fiscal Year Research-status Report
青枯病菌のコロニー化に関わるシグナル伝達系の新規解析法の開発
Project/Area Number |
26660036
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Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
曵地 康史 高知大学, 教育研究部総合科学系, 教授 (70291507)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
甲斐 建次 大阪府立大学, 生命環境科学研究科(系), 助教 (40508404)
大西 浩平 高知大学, 教育研究部総合科学系, 教授 (50211800)
木場 章範 高知大学, 教育研究部総合科学系, 教授 (50343314)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | コロニー化 / 病原性 / 細胞間隙 |
Outline of Annual Research Achievements |
宿主植物の細胞間隙へ侵入直後の植物細胞表面への固着とバイフィルム形成によるコロニー化は、青枯病菌の病原性確立に不可欠な感染過程である。本年度は、このコロニー化に関わる青枯病菌の二次代謝物質を同定し、その産生系の解明と機能解析を行うことを目標とした。 まず、青枯病菌OE1-1株から新たなクオルモン3-hydroxymyristic acid methyl ester (3OH-MAME)を同定した。さらに、それに対する受容体PhcSタンパク質との結合様式とともに、クオラムセンシング誘導機構を分子生物学的・分子進化学的に解析し、青枯病菌は、それぞれが産出するクオルモンに応じたクオラムセンシング機構を有することを明らかにした。それらの結果を基に、コロニー化がクオラムセンシングに依存することを明らかにし、コロニー化に関わるシグナル伝達系を部分的に解明した。 さらに、クオラムセンシングにより合成が誘導されるラルフラノン化合物の網羅的に同定し、その産生系を明らかにした。機能解析から、ラルフラノン化合物が、バイオフィルム形成に関わる菌体外多糖の生合成系の制御のみならず、青枯病菌の環境応答に関わる二成分制御系のセンサーカイネースとレスポンスレギュレーターの発現の恒常性に関与することを明らかにした。興味深いことに、固着とバイオフィルム形成とともに、コロニー化にとって重要な植物免疫の回避に不可欠なⅢ型分泌系の構造タンパク質をコードするhrp遺伝子群の発現に関わる二成分制御系のセンサーカイネースとレスポンスレギュレーターの発現の恒常性にも関与していた。すなわち、ラルフラノン化合物は、クオラムセンシングに支配される細胞間隙へ侵入直後のコロニー化において、セカンドメッセンジャーとして機能することを明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度の成果は、メタボローム解析で同定した二次代謝産物3-OH MAMEと、ラルフラノン化合物の機能を生化学解析により明らかにするとともに、ゲノム情報を基にしたトランスクリプトーム解析により、それらの生合成機構を明らかにした。さらに、ゲノム情報とトランスクリプトーム情報を基に作製した変異株を用いた分子遺伝学解析により、それら二次代謝物質により制御される形質と、それら形質に関わる遺伝子の探索の発現制御系を明らかにすることができた。さらに、これらオミクス解析と、in vitroにおけるバイオフィルム形成システムとその走査型電子顕微鏡解析システムを組み合わせたことにより、青枯病菌のコロニー化機構の網羅的に解明を行うための、基盤情報と実験系を得ることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
宿主植物の細胞間隙へ侵入直後の植物細胞表面への固着とバイフィルム形成によるコロニー化におけるセカンドメッセンジャーとしてのラルフラノン化合物の機能を、本年度に確立した実験系を用いて、明らかにする。その結果を基に、青枯病菌のコロニー化機構の網羅的解明に資する、解析法を開発する。
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Research Products
(22 results)
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[Journal Article] SEC14 phospholipid transfer protein is involved in lipid signaling-mediated plant immune responses in Nicotiana benthamiana2014
Author(s)
Kiba, A., Galis, I., Hojo, Y., Ohnishi, K., Yoshioka, H., Hikichi, Y.
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Journal Title
Plos One
Volume: 9
Pages: e98150
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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[Journal Article] Silencing of DS2 aminoacylase-like genes confirms basal resistance to Phytophthora infestans in Nicotiana benthamiana2014
Author(s)
Nakano, M., Nishihara, M., Yoshioka, H., Ohnishi, K., Hikichi, Y., Kiba, A.
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Journal Title
Plant Signaling & Behavior
Volume: 9
Pages: e28004
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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[Journal Article] Functional characterization of the mutations in Pepper mild mottle virus overcoming tomato tm-1-mediated resistance2014
Author(s)
Mizumoto, H., Morikawa, Y., Ishibashi, K., Kimura, K., Matsumoto, K., Tokunaga, M., Kiba, A., Ishikawa, M., Okuno, T.,and Hikichi, Y.
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Journal Title
Molecular Plant Pathology
Volume: 15
Pages: 479-487
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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[Journal Article] Heat shock protein 70 is required for tabtoxinine-β-lactam-induced cell death in Nicotiana benthamiana2014
Author(s)
Ito, M., Yamamoto, Y., Kim, C-S., Ohnishi, K., Hikichia, Y., Kiba, A.
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Journal Title
Journal of Plant Physiology
Volume: 171
Pages: 173-178
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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