2014 Fiscal Year Research-status Report
トマト黄化葉巻病のリカバリー機構解明と新規防除法の確立
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26660039
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Research Institution | Utsunomiya University |
Principal Investigator |
西川 尚志 宇都宮大学, 農学部, 准教授 (60361614)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | トマト黄化葉巻ウイルス / リカバリー |
Outline of Annual Research Achievements |
近年日本ではジェミニウイルスであるトマト黄化葉巻ウイルス(TYLCV)がトマトで激発し、エマージングウイルスとして最重要病害となっている。病徴は葉の黄化と葉巻に加え、茎頂付近の生育が阻害され萎縮するため大幅な収量減となる。しかし、一度発病した苗でも低頻度ながら病徴が回復(リカバリー)し、あたかも健全な生育を示すものが見受けられる。本研究課題では、このリカバリーした植物がウイルス抵抗性を持つのかどうか、また、、ウイルス抵抗性を持つ場合は実用化が可能であるか検討する。 そこで本年度は人為的にリカバリーを誘導することができるのか検討を行った。まず、トマトにTYLCVの感染性クローンを接種し、発病を確認した植物を30℃および35℃の人工気象器に移したところいずれの植物からもリカバリーが確認できた。しかし、若干生理障害が認められたため、今後、最適な日照条件やより低い温度での検討が必要である。 また、これらのリカバリーした植物からはPCRによりウイルスが検出されたことから、リカバリーした部位はウイルスフリーになったわけではないことが示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
高温条件下でリカバリーした植物に加え、健全植物にも若干生理障害が起きたため、日照時間や温度条件などの検討が必要になった。
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Strategy for Future Research Activity |
リカバリーした植物は、保毒虫の吸汁によりウイルスの感染を防ぐことが出来るのか検討する。また、リカバリーした葉ではウイルスフリー化しているわけではないことが明らかになったため、高温の状態から室温まで戻した時に、再度病徴が出ないか確認する必要がある。
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Causes of Carryover |
栽培条件検討に時間がかかり、若干実験に遅れが生じたため、使用しきれなかった試薬代を来年度に繰り越した。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
遅れた分の実験は今年度行うため、本年度の予算は計画通り使用する予定である。
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