2015 Fiscal Year Research-status Report
高捕獲効率狩猟者の行動特性の解明と捕獲技術の最適化
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26660041
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
森部 絢嗣 岐阜大学, 応用生物科学部, 特任助教 (50456620)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
淺野 玄 岐阜大学, 応用生物科学部, 准教授 (30377692)
鈴木 正嗣 岐阜大学, 応用生物科学部, 教授 (90216440)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 狩猟 / 捕獲 / 最適化 |
Outline of Annual Research Achievements |
イノシシやニホンジカの捕獲には「経験や勘」が重要視されているため、捕獲技術向上のための体系化された育成プログラムがほとんどない。そのため、担い手となる新米猟師への捕獲技術の継承に時間がかかるといった問題が指摘されている。 「経験や勘」を細かく解析すれば、その根拠となるものは、行動学、解剖学、環境学、生態学、気象学などの様々な科学的なデータとして置換することが可能である。そこで本研究では、「経験や勘」といった言葉で片づけられてきた捕獲技術を科学的に分析することにより、高捕獲効率狩猟者の行動特性を解明し、捕獲技術の最適化を目的とする。 本年度は、わな猟(箱わな、くくり罠)について、各技能レベルの狩猟者を対象に設置場所や管理方法、ルートなどについて調査を行った。箱わなは、高捕獲者の1県15ヶ所、くくり罠については狩猟者4人の2県3地域の設置環境および設置方法について調査した。高捕獲者の箱わな設置場所のほとんどが、北向き以外に開放した谷筋や斜面上の農林道から林に入った場所に設置されていた。また新米猟師が、餌を用いた誘因によるくくり罠で多く捕獲した環境は、中規模の谷の平坦部奥地や尾根下端が近接している場所である傾向がみられた。いずれの罠も人家から一定の距離を設けることで、イノシシの捕獲数が増える傾向にあった。餌を使わないくくり罠の設置場所は、そのほとんどが、水平または緩傾斜面の水平獣道上に仕掛ける傾向がみられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は主にわな猟において、狩猟者の行動や捕獲方法を調査し、一定の規則性について推測することができた。この成果を次年度の検証で活用する予定である。わな猟における捕獲方法については、前年度と同様に一部の猟法で検証作業を前倒し、一定の成果を得ることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでに得られた好適なわな設置地点や捕獲地の共通要素を検出し、最適なわな設置地域を選定する優先度を仮定する。検証にあたっては、複数人の狩猟経験が少ない方を対象とし、仮説に基づき捕獲活動を行う。検証作業で得られた結果を参考にし、最適化モデルを修正する。
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Causes of Carryover |
次年度使用額が少額であったため、無理に使用することはやめた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度の予算と合わせ、諸経費として使用する。
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