2016 Fiscal Year Annual Research Report
Searching HIGS target gene of phytophagous hemipteran insects
Project/Area Number |
26660045
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Research Institution | National Agriculture and Food Research Organization |
Principal Investigator |
長谷川 毅 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 生物機能利用研究部門・昆虫制御領域, 主任研究員 (30414931)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | ツマグロヨコバイ / 硬タンパク / 口針鞘 |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度に実施した研究の成果 ツマグロヨコバイ口針鞘サンプルをLC-MS/MS分析用に調整した。またRNAseqを用いたツマグロヨコバイ唾液腺発現データベースをもとにESTデータなどを用いて反復配列などのデータを修正し、口針鞘構成成分解析用にカスタマイズした506,050の配列からなるデータベースを作成した。これらを用いて9個の構成タンパク質が同定した。同定したタンパク質はすべて新規のものであった。このうち4個はヨコバイ類をはじめとするカメムシ目類の予想されるタンパク質に相同な配列であった。構成タンパク質の遺伝子のうち、4個の遺伝子についてペアレンタルRNAiを用いてノックダウンを行った。その結果、顕著な生存能力の低下などは観察されなかった。 研究期間全体を通じて実施した研究の成果 <可溶化法の確立> 口針鞘はその可溶化が難しいことからこれまで成分や機能についてほとんど解析されてこなかった。本研究によって口針鞘成分の解析法が開発された。このことによって、重要な害虫類であるアブラムシ、ヨコバイ、ウンカ、コナジラミなどの口針鞘研究についても重要な手法となる。また他の多くの分野で可溶化が問題となっているタンパク質についても重要な知見となる。 <新規硬タンパク質群の同定> これまで、解析されていなかった一群の新規硬タンパク質が明らかとなった。また、タンパク質の特性などから重合の様式が示唆された。これらは材料科学にも有益な知見となることが考えられる。 <RNAi技術を利用したターゲットとしての評価> これまでのノックダウン実験では生存率の著しい低下は見られない。同定されたタンパク質は、互いに補償しながら口針鞘を構成しているのかもしれない。さらなる解析が必要となる。一方で、他のヨコバイ、アブラムシ類などとの相同性解析から、種、あるいは属特異的な防除が可能となる可能性も推察された。
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