2014 Fiscal Year Research-status Report
メタンガスを発酵原料とした有用物質生産菌取得法の開発
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26660056
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
中島 敏明 筑波大学, 生命環境系, 教授 (80241777)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 発酵生産 / スクリーニング技術 |
Outline of Annual Research Achievements |
申請者はメタン資化性菌の栄養特性を利用して、ターゲットを限定しない網羅的スクリーニング法を考案した。メタン資化性菌が他の炭素源を利用しない(できない)点と、大腸菌がメタン、メタノールを利用できない点に着目した。すなわち、炭素源を含まない平板培地にサンプルを塗布し、その上に大腸菌を混合した軟寒天を重層する。これをメタンガス存在下で培養することにより、平板上にメタン資化性菌のコロニーを形成させる。このコロニーのうち大腸菌が利用可能な【何か】を生産するものがあれば、コロニー周辺に大腸菌が増殖し、白く濁る。 今年度はスクリーニングに最適な指標菌の選択、その濃度について検討を行い、アッセイ系の最適化を行った。その結果大腸菌に加えてセラチア菌を添加した場合において広いスペクトル、感度を有する検定培地を作成することに成功した。また培地の保存性も確認した。 ついで、日本国内の水田を中心にサンプルを採取し、これを適宜希釈して検定培地に塗布して嫌気ジャーに入れ、ジャー内部のガスをメタン:空気=2:8(v/v)に置換して培養した。その結果周辺に大腸菌+セラチア菌の生育に伴う濁りを生じたコロニーをピックアップし、メタン存在下、無機塩寒天培地上で数回培養して純化し、保存した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
最適な検定培地の制作に成功した。また、その培地を用いて、複数の候補株の取得に成功している。
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Strategy for Future Research Activity |
取得した候補株について、生産物の同定と生産条件の最適化を試みると同時に、権利化を行う。
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Causes of Carryover |
培地の最適化が想定よりも早く完遂できたため、実験に使用した消耗品が少なかった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
今年度の検討結果より、スクリーニングや生産物の同定作業には予想よりも多くの労力を必要とするため、微生物化学に精通したの博士研究員の雇用を行い、作業を迅速に行う。
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