2014 Fiscal Year Research-status Report
安定同位体標識リポ多糖の生化学的調製とファージ宿主認識機構のNMR解析
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26660085
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
稲垣 穣 三重大学, 生物資源学研究科, 教授 (20242935)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 大腸菌 / リポ多糖 / galE / waaクラスター / PCR |
Outline of Annual Research Achievements |
大腸菌C株のゲノム塩基配列をデータベースから検索し,近縁種の大腸菌K12株,ネズミチフス菌などのゲノム配列と比較しながらgalE遺伝子やガラクトース転移酵素遺伝子の配列を予想した。予想を元にプライマーを設計してPCR反応を行うことで,目的の遺伝子を増幅する実験を行った。galE遺伝子について、データベースによる相同性検索からは、各種大腸菌等の遺伝子配列は、比較的に振れ幅の大きい配列であることがわかった。そこで、そのDNA塩基配列をいったんアミノ酸の配列に翻訳し、そのアミノ酸がよく保存されている領域を選げ、そのアミノ酸の配列を与えるDNA配列を予想してプライマーを設計しPCR反応を行った。しかし、いままでのところ思うような断片が増幅されていない。次に、各配列のゆれを考慮に入れたミックスドプライマーを作成して増幅すると、何らかの断片が増幅されたが、それらの塩基配列は期待にあわないまたは、確認できなかった。 現在、次世代シークエンサー装置を作って大腸菌C株の全塩基配列を網羅的に読み取り、その塩基配列の中からgalE, waaW waaT遺伝子を増幅し、その配列やクローニングされた断片を使ってのエンジニアリングを行う方針に転換して実験を進めている。 同位体標識を持つリポ多糖の糖鎖を得ること、そしてそれを活用してのファージタンパク質との相互作用解析を行うための準備実験として、これまで研究室で得られている非標識のリポ多糖糖鎖の13C核磁気共鳴スペクトルによる解析を行った。もっとも注目している末端ガラクトースの部分の信号はまだ解析が完了していないが、すべての糖残基のアノメリック炭素の信号に関しては、明瞭に同定することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
リポ多糖の生合成にかかわるガラクトース転移酵素に糖供与体を供給するUDP-ガラクトース-4-エピメラーゼ遺伝子の配列は、大腸菌の間である程度バリエーションがあることがわかり、われわれの目的とする大腸菌C株ともっとも近縁と考えられる大腸菌F470株の遺伝子配列を基にしては増幅できなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
galEやwaaクラスターの遺伝子配列のゆれを考慮に入れたミックスドプライマーを引き続き改良して設計し、目的の遺伝子断片を増幅取得することができるよう取り組む。また、大腸菌C株の全塩基配列を次世代シークエンサー装置を作って網羅的に読み取り、その塩基配列の情報を活用する方法を取り入れて実験を進める。 安定同位体標識を持たない糖鎖のNMR解析をいっそう進め、いわゆるコールドの糖鎖によるタンパク質相互作用の検出と解析を進める。
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Causes of Carryover |
小額526円が残ったが、あえて清算するように使い切ることはしなかった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
残った予算額を次年度予算に繰り入れて、来年度は計画にのっとり研究経費を使用する予定である。
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