2014 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
26660089
|
Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
久米 一規 広島大学, 先端物質科学研究科, 助教 (80452613)
|
Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | 細胞核サイズ / 分裂酵母 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、真核細胞の核サイズ制御機構についての解析をおこなう。細胞核は、真核細胞のゲノムを安定に保持するために重要な細胞内小器官である。ほとんどの真核生物において、その核サイズは、細胞サイズと比例関係にあり、核と細胞の体積比率(N/C ratio)が一定に保たれていることが報告されている。しかしながら、その制御の実体は不明である。これまでに我々は、単細胞真核生物・分裂酵母の非必須遺伝子破壊株ライブラリーを用いた網羅的スクリーニングから、N/C ratioに異常を示す変異体を多数取得した。そこで、本研究では、核サイズ制御の分子機構を明らかにするために、取得した変異体の解析を進める。本年度行った研究の概要を以下に示す。 ①取得したN/C ratio変異体の原因遺伝子を正常細胞で過剰発現させ、核サイズへの影響を調べた。いずれの遺伝子の過剰発現においても、核サイズへの影響が見られなかったことから、当該遺伝子は、核サイズ決定因子ではなく、当該遺伝子が関与する細胞内プロセスが核サイズ制御に重要であることが示唆された。 ②遺伝学的アプローチにより、取得した変異体間の遺伝子間ネットワークを明らかにし、核サイズ制御における主要経路を明らかにした。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画通りに研究が進められており、期待通りの成果が得られている。
|
Strategy for Future Research Activity |
取得したN/C ratio変異体の解析により明らかにした、核サイズ制御の主要経路について、その機能解析を行う。つまり、主要経路を構成する遺伝子群と機能関連する既知の遺伝子を探索し、経路の全体像を明らかにする。具体的な方法としては、機能関連遺伝子の機能欠損株を構築し、核サイズへの影響を調べる。そして、主要経路がターゲットとする因子を明らかにし、核サイズに直接影響を与える下流因子をつきとめ、その制御機構を解明する。
|
Causes of Carryover |
予定していた学会への参加をとりやめたため。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度の研究計画では、分子生物学的実験を多く行うため、そのための費用(消耗品費)にあてる。
|