2015 Fiscal Year Research-status Report
バクテリアの生産するアーバスキュラー菌根共生促進物質の同定と作用機序解析
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26660098
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
秋山 康紀 大阪府立大学, 生命環境科学研究科(系), 教授 (20285307)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
甲斐 建次 大阪府立大学, 生命環境科学研究科(系), 講師 (40508404)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | アーバスキュラー菌根菌 / アシルホモセリンラクトン / シデロフォア / ヘルパーバクテリア |
Outline of Annual Research Achievements |
AM菌 Gigaspora margaritaの胞子から分離したSphingomonas sp. TM-29株及びAgrobacterium tumefaciens TM-M3株の生産するN-アシルホモセリンラクトン(3R)-及び(3S)-3-hydroxyoctanoyl-L-HSLについてAM菌G. margaritaに対する菌糸分岐誘導活性を調べたところ、活性を示さなかった。次に、TM-29株とTM-M3株の培養抽出物について菌糸分岐誘導を調べたところ、両菌株ともに活性が見られた。TM-29株の活性画分について精製を行い、LC-MS解析からシデロフォアであるyersiniabactinと推定される化合物を単離した。そこでTM-M3株からA. tumefaciensのシデロフォアであるagrobactinを単離し、菌糸分岐アッセイに供したところ強い活性を示した。Fe(Ⅲ)-EDTAでは菌糸分岐は誘導されなかったことより、シデロフォアの菌糸分岐活性は鉄によるものではないことが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
AM菌胞子表面に生息するバクテリアから菌糸分岐誘導物質としてシデロフォアを単離・同定した。バクテリアのシデロフォアがAM菌の菌糸分岐を誘導するという知見はこれが初めての例である。
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Strategy for Future Research Activity |
バクテリア由来のシデロフォアがAM菌と植物との共生を促進するのかどうかを土壌灌注実験により検証すると共に、シデロフォアによるAM菌生育促進の分子機構について詳細に検討していく予定である。
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