2016 Fiscal Year Annual Research Report
Screening of natural products for novel mannose-binding agents
Project/Area Number |
26660099
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
中川 優 名古屋大学, 生命農学研究科, 准教授 (90452284)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 天然物 / 糖鎖 / pradimicin A / 糖結合性分子 / レクチン / スクリーニング |
Outline of Annual Research Achievements |
近年,前例のない作用機序を有する抗 HIV 薬のリードとして,マンノース (Man) 結合能を有する低分子化合物に大きな期待が寄せられている.しかしながら,生理的条件下で Man を認識する人工分子は未だに開発されておらず,現時点で唯一の Man 結合性天然低分子化合物である pradimicin A (PRM-A) は凝集性を有するために創薬への展開は滞っている.本研究では,PRM-A がオリゴマンノースと結合して「赤色の凝集体」を与えることに基づき,Man 結合性低分子の存在を「目視」で検出できるスクリーニング系を構築し,Man 結合能を有する新規天然物を発見することを目指している. 昨年度までに,PRM-A 類縁体を利用したスクリーニング系を構築し,研究代表者所属の研究室が保有している天然物ライブラリーから Man 結合性天然物の探索を行なった.しかしながら,Man との結合には無関係に PRM-A類縁体 の凝集を抑制する化合物が存在すること,さらに本スクリーニング系では微量にしか存在しない Man 結合性天然物を検知することができないことなどの問題が存在することが明らかとなった. そこで本年度は,新たな探索法として,磁気ビーズを利用したスクリーニング系を構築した.Man を含むオリゴ糖を磁気ビーズに固定して PRM-A とその類縁体を捕捉できるかどうかを検証したところ,Man に対するアフィニティーが低い類縁体であっても十分に検出できることが確認され,オリゴ糖固定磁気ビーズが Man 結合性天然物の探索に利用可能であることが示唆された.一方,スクリーニングの過程で,3,4-dihydroquinolizinium 骨格を有する新規天然物を見いだし,本天然物は Man 結合能はもたないものの,HeLa 細胞に対して顕著な毒性を示すことを確認した.
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