2016 Fiscal Year Annual Research Report
High pressure transformation of agriproduct
Project/Area Number |
26660101
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
藤井 智幸 東北大学, 農学研究科, 教授 (40228953)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 高圧処理 |
Outline of Annual Research Achievements |
高圧処理による農作物の新規二次代謝反応の誘導は、遺伝子組換えを介さない農作物の高付加価値化手法ということができる。近年、我が国においても様々な植物がスプラウトの状態で食されることが多くなった。スプラウト(発芽野菜)は酵素活性が高く、かつ内部組織が脆弱と考えられるため、内部組織を破壊することによってユニークな二次代謝反応を誘導する対象として緑豆スプラウトを選んだ。昨年度は、酵素活性が高いと考えられる栽培段階にもやし試料に対して高圧処理を施し、除圧後保存すると、遊離アミノ酸が増加することを確認した。本年度は、さらに実験を進め、400MPaの高圧処理を施した緑豆スプラウトを4℃で保存した場合、4日後スプラウトの種子の部分に青色色素が生成することを見出した。200MPaの高圧処理を施した試料及び未処理の試料では4℃、4日間保存しても青色色素の生成が認められなかった。以上の結果から、青色色素の生成は圧力依存的であり、通常の条件では進行しない酵素反応が高圧処理によって誘導されたことが示された。先行研究においても、カブに200MPa以上の高圧処理を施し4℃で保存することで青色色素が生成することが報告されている。このように、植物の生理的状態に応じて適切な生育段階で高圧処理を施すことによって潜在的な二次代謝反応をactiveになる現象が普遍的であることが示された。植物を食品素材として用いる場合のみならず、有効な生理活性成分を増加させる系としても有効と考えられた。
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