• Search Research Projects
  • Search Researchers
  • How to Use
  1. Back to project page

2015 Fiscal Year Research-status Report

加齢によりなぜ味覚は変化してしまうのか?

Research Project

Project/Area Number 26660106
Research InstitutionThe University of Tokyo

Principal Investigator

成川 真隆  東京大学, 農学生命科学研究科, 助教 (50432349)

Project Period (FY) 2014-04-01 – 2017-03-31
Keywords加齢 / 味覚
Outline of Annual Research Achievements

平成27年度は老化促進系統SAMP1系統を用いて、加齢依存的な味嗜好性変化の評価を主に試みた。
味覚表現型解析として、味嗜好性評価と味覚マーカー分子の発現を行った。味嗜好性評価は5秒間に味溶液を舐めた回数から嗜好率を算出するリッキング法と、水と味溶液を48時間提示し、各々の飲水量の比率から嗜好性を算出する48時間二瓶選択法を行い、両者をもって比較した。味溶液として、デナトニウム(苦味)、クエン酸(酸味)、スクロースとサッカリン(甘味)、グルタミン酸Na+イノシン酸Na(旨味)とNaCl(塩味)の五基本味を用いた。また、味蕾を含む舌切片を用いて免疫染色法により味細胞マーカー分子の発現を観察した。
マウスは系統により味感受性が著しく異なることが知られていることから、まずSAMP1マウスの味覚表現型をC57BL/6J(B6)マウスと比較した。8週齢のB6マウスと比較して、同週齢のSAMP1の基本味に対する嗜好性は、苦味、酸味、塩味溶液に対して有意な変化を示したが、各味溶液に対して濃度依存的に嗜好性の変化が認められた。また、味覚マーカー分子の発現パターンにB6と明確な差は認められなかった。したがって、SAMP1マウスは全ての基本味に対する感受性を有すると考えられた。続いて、SAMP1の経時的な味嗜好性変化を評価した。SAMP1は高齢になるにつれて、苦味・酸味に対する忌避性が強まる一方で、旨味・甘味に対する嗜好性が上昇する傾向が観察された。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

平成27年度の計画に関しては上記研究実績の概要に記した通り、おおむね順調に進展している。最終年度についても順調な進展が予想される。

Strategy for Future Research Activity

平成28年度は老年期マウスを用いて味嗜好性評価を行う。さらに、味覚神経応答記録と味蕾における各種味マーカー分子の発現を調査する。各年齢層における味嗜表現型を比較し、加齢による味覚変化量を明示する。

Causes of Carryover

本申請研究は加齢依存的な変化を観察することを目的としている。マウスの状況を逐次観察しながら実験を進めているため、一部実験の実施が平成27年度中に終了せず、試薬の購入が遅れた。

Expenditure Plan for Carryover Budget

マウスの飼育と嗜好性評価にかかわる費用、味覚関連分子の発現変化を調査するための試薬の購入を予定している。

  • Research Products

    (1 results)

All 2016

All Presentation (1 results)

  • [Presentation] 老化モデルマウスを用いた加齢依存的な味覚嗜好性変化の解析2016

    • Author(s)
      幸田理恵、成川真隆、三坂巧
    • Organizer
      日本農芸化学会2016年度大会
    • Place of Presentation
      札幌コンベンションセンター
    • Year and Date
      2016-03-29

URL: 

Published: 2017-01-06  

Information User Guide FAQ News Terms of Use Attribution of KAKENHI

Powered by NII kakenhi