2016 Fiscal Year Annual Research Report
A new non-invasive in vivo model for evaluation of the adipose inflammatory state.
Project/Area Number |
26660112
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
矢中 規之 広島大学, 生物圏科学研究科, 准教授 (70346526)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 肥満 / 慢性炎症 / serum amyloid A3 / 大腸炎 / DSS大腸炎 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究において作出したsaa3-luc Tgマウスを用いた検討によって、肥満脂肪組織に浸潤するマクロファージによって引き起こされる慢性炎症を、serum amyloid A3(saa3)遺伝子のpromoter活性に基づくin vivoにおける化学発光を指標として評価できうるとことを強く示唆し、さらに、saa3遺伝子のpromoter の活性化には、炎症性の転写因子であるCEBP/βによって制御されている可能性が示された。 一方で、saa3遺伝子は急性期炎症タンパク質として全身の炎症反応に関わることが以前より知られているが、多様な炎症性疾患が問題となっている社会的課題を考慮し、saa3-luc Tgマウスを肥満白色脂肪組織の慢性炎症の評価モデルとしてのみならず、他の炎症疾患への応用を目指した。特に、動物評価モデルが未だ確立されていない炎症性大腸炎の評価モデルとしての応用を目指し、dextran sulphate sodium (DSS)誘導性の大腸炎に対するsaa3遺伝子の発現解析解析を実施したところ、DSS誘導性の大腸炎組織においてsaa3遺伝子の発現量は著しく増加し、さらには炎症の重症度とともにsaa3遺伝子のpromoter活性は上昇していた。実際に、saa3-luc TgマウスにDSS誘導性の大腸炎を発症させ、in vivoイメージング解析を実施したところ、大腸組織においてルシフェラーゼの化学発光が観察され、特に結腸部位において高い化学発光が観察された。以上のことから、saa3-luc Tgマウスは、肥満白色脂肪組織の慢性炎症のみならず、大腸炎疾患モデルへの応用が期待される。今後は、大腸炎の発症におけるCEBP/βの関与、およびSaa3の大腸炎組織における発現部位の特定を進める必要がある。
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