2014 Fiscal Year Research-status Report
ユビキタス技術・ビッグデータを用いた林業労働の安全化・効率化に関する基礎的研究
Project/Area Number |
26660123
|
Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
三木 敦朗 信州大学, 学術研究院農学系, 助教 (60446276)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大地 純平 山梨県森林総合研究所, 森林研究部, 研究員 (00536279)
福永 良浩 九州産業大学, 経営学部, 准教授 (10360299)
斎藤 仁志 信州大学, 学術研究院農学系, 助教 (60637130)
|
Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
|
Keywords | 林業労働 / 安全化 / 効率化 |
Outline of Annual Research Achievements |
林業における労働負荷の軽減と作業の効率化を目指して、本年度は下記の研究をおこなった。 (1) 伐採した丸太の検尺・記帳を自動化するための小型装置を開発した。丸太の直径を計測し、経級ごとの本数を紙に転記し、その情報をまた入力することは時間を要する作業であり、中小規模事業体が生産量を増加させるとボトルネックになる可能性がある。これの自動化手法は従来からいくつか提案されてきたが、いずれも装置が大型・高価であったり、直射日光など厳しい条件下での使用には課題もあった。そこで、小型かつ安価に製作できる装置を開発し、作業が効率化できるかを実験・計測した。その結果、従来の作業方法に比べて、時間の短縮、あるいは必要な人員の削減ができることが明らかとなった。一方で、装置の改良すべき点も判明した。 (2) 複数人による林業作業の安全化をはかるための近接防止装置を開発した。林業において、伐採作業や下刈り作業の際に、他の作業者を巻き込んで労働災害が発生することがある(林業労働災害(死亡災害)の約2割)。現状では、この削減を作業者の注意力のみに依存している。そこで、作業者同士が異常に接近した際に、自動的に警告し、あるいは作業機械を強制停止させるための、作業者が身につけることができる小型装置を開発した。実験によって、下刈り作業の現場では実用できる精度を発揮しうることが明らかとなった一方、林内では精度が不足することが判明した。 (3) ドイツにおいて、林業労働の安全対策と教育がどのようにおこなわれているのかを調査し、日本と比較した。 次年度においては、(1)(2)の課題を解決するために、装置の改良をおこなう計画である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
26年度に計画していた検尺・記帳を自動化する装置と近接防止装置の開発に、当初予定よりも時間を要したため、装置の改良までは行えなかった。そのため「やや遅れている」と判断した。次年度において回復できる予定である。
|
Strategy for Future Research Activity |
装置を改良した上で再度実験をおこない、いくつかの実際の林業現場において性能の評価をおこなう計画である。また、その他に必要な装置を開発し、これらを連携させることによって林業作業の安全化・効率化に役立てられるシステムの構築をおこなう。
|
Causes of Carryover |
今年度、装置の開発・実験に時間を要した結果、他の装置と装置間連携ソフトウェアの開発、作業現場での実証実験を次年度におこなうことになったためである。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度使用額は、平成27年度請求額とあわせて、他の装置と装置間連携ソフトウェアの開発費用、作業現場での実証実験費用、研究成果発表のための費用として使用する計画である。
|
Research Products
(3 results)