2014 Fiscal Year Research-status Report
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26660160
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| Research Institution | Kyushu University |
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Principal Investigator |
松山 倫也 九州大学, (連合)農学研究科(研究院), 教授 (00183955)
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| Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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| Keywords | 魚類資源 / 成熟度調査 / 卵巣標本 / ホルマリン固定 / バッチ産卵数 / 透明化法 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
【目的】:魚類資源の精度の高いな繁殖特性情報は，適切な資源管理を行う上で必須であり，通常の調査では，雌では成熟度を，ホルマリン固定した卵巣の組織切片標本観察により判定し，また，1回当たりの産卵数（バッチ産卵数）は成熟した透明卵の計数により算定している。本研究では，組織切片標本作製や透明卵の出現を不要とする，“ホルマリン固定卵巣組織の透明化法”を開発し，調査現場における労力，費用，時間の大幅削減と情報精度の格段の向上を図る。我々はこれまでにBA-BB（ベンジルアルコール・安息香酸ベンジル）液を用いた透明化法を開発した。しかし，BA-BB液は有機溶媒の混合液のため，取り扱いに注意を要し，また処方後は卵径の収縮が起こる。そこで，本研究では，より簡便な透明化法の開発を目的とし，近年脳神経科学の分野で開発された，フルクトースを主成分とした水溶性の透明化試薬（SeeDB）を用い，マアジの卵巣標本の透明化を試みた。
【方法】:】東シナ海で漁獲されたマアジの卵巣を10％ホルマリン固定した。BA-BB液あるいはSeeDB液を用いて透明化した後，ズダンB染色あるいはギムザ染色を施し，顕微鏡観察した。また，各卵巣標本は常法により組織切片を作製し，透明化後の標本と比較した。
【結果】 SeeDB法はBA-BB法と比較して，透明化に要する時間がそれぞれ3日および10分で，透明化の時間を要するが，透明化像も遜色ないことに加え，収縮作用や毒性，プラスチック溶解性がなく，取り扱いが容易であり，ホルマリン固定卵巣標本の透明化に適した透明化剤であることが明らかとなった。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
BA-BB（ベンジルアルコール・安息香酸ベンジル）液に代わる透明化試薬として、フルクトースを主成分とした水溶性の透明化試薬（SeeDB）を用い，マアジのホルマリン固定卵巣標本の透明化を試みた。その結果，SeeDB法はBA-BB法と比較して，透明化に時間を要するが，透明化像も遜色ないことに加え，収縮作用や毒性，プラスチック溶解性がなく，取り扱いが容易であることが明らかとなった。平成26年度の目標の一つである，SeeDB法によるホルマリン固定卵巣標本の透明化法の確立はマアジで達成できた。加えて，マサバでも予備実験の結果，ほぼ達成できた。しかし，解析するのに適切な成熟度をもつマイワシ卵巣の入手ができなかったため，マイワシ卵巣標本での検討は残されたままである。
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| Strategy for Future Research Activity |
マイワシに加え，TAC対象種であるスケトウダラの卵巣標本を入手し，SeeDB法の適用を図る。マイワシ卵巣標本は中央水産研究所から、またスケトウダラ卵巣標本は北海道区水産研究所からそれぞれ入手する予定である。さらに，マアジ，マサバ，マイワシ、スケトウダラの透明化した核移動期卵に基づいた，これら4種のバッチ産卵数を算定し，一連の作業工程のマニュアルを作成するとともに，本法の調査現場への普及化を図る。
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| Causes of Carryover |
予定していた物品の納入が遅れた為
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| Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度すぐに物品購入予定
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Research Products
(7 results)
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[Book] Chapater 4: Egg Production, 109 pp. In “HANDBOOK OF APPLIED FISHERIES REPRODUCTIVE BIOLOGY FOR STOCK ASSESSMENT AND MANAGEMENT”2014
Author(s)
Ganias K, Murua H, Claramunt G, Dominguez-Petit R, Gonçalves P, Juanes F, Keneddy J, Klibansky N, Korta M, Kurita Y, Lowerre-Barbieri S, Macchi G., Matsuyama M, Medina A, Nunes C, Plaza G, Rideout R, Somarakis S, Thorsen A, Uriarte A, Yoneda M.
Total Pages
109
Publisher
Digital CSIC. http://hdl.handle.net/10261/87768
