2014 Fiscal Year Research-status Report
次世代発酵技術の確立に向けたファージの宿主乗っ取り機構の解明
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26660171
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
吉田 天士 京都大学, (連合)農学研究科(研究院), 准教授 (80305490)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
左子 芳彦 京都大学, (連合)農学研究科(研究院), 教授 (60153970)
澤山 茂樹 京都大学, (連合)農学研究科(研究院), 教授 (80357178)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | シアノファージ / ラン藻 / ミクロキスティス / トランスクリプトーム / 光発酵 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、ラン藻感染性ファージの宿主ラン藻の複製・代謝系を乗っ取り、自らのコピーを大量に作り出すための巧妙な分子メカニズムを解明し、有用遺伝子資源を網羅的に開発する。今年度の成果は以下のとおりである。 ファージ感染6時間後のラン藻ミクロキスティスより全RNAを抽出し、次世代シーケンサーを用いたトランスクリプトーム解析を行った。約6300の宿主遺伝子のうち、431遺伝子が感染により転写が上昇した。この多くは機能未知遺伝子が多くを占めるが、いくつかのストレス応答タンパク質遺伝子が強く情報制御されていた。また、347遺伝子が下方制御されていた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
次世代シーケンサーを用いたトランスクリプトーム解析系を確立し、初年度の目標の一つを達成できた。しかしながらラン藻の遺伝子発現系の確立には至らず上記の評価となった。
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Strategy for Future Research Activity |
トランスクリプトーム解析法を用いてファージ添加から溶菌に至るまでの転写制御をより詳細に明らかにする。また進展が遅れている二重交差相同組換えによるラン藻の遺伝子組み換え法の確立を行い、予測される宿主乗っ取り候補遺伝子の機能解析を進める。メタゲノムとウイルス感染履歴に基づく新規ウイルスのゲノム解読技術の確立に向けた予備的実験を行う。
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Causes of Carryover |
網羅的なトランスクリプトーム解析のパイロット実験にとどまったため、遺伝子解析用試薬にかかる物品費が抑えられたため
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
前年度までに確立したトランスクリプトーム解析法を用いた網羅的解析に必要な物品費を購入する
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