2014 Fiscal Year Research-status Report
ウナギ筋由来蛍光蛋白質を用いた機能性栄養素の簡易評価法の開発
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26660172
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
橘 勝康 長崎大学, 水産・環境科学総合研究科(水産), 教授 (20171712)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
谷山 茂人 長崎大学, 水産・環境科学総合研究科(水産), 准教授 (20467971)
平坂 勝也 長崎大学, 水産・環境科学総合研究科(水産), 助教 (70432747)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 機能性食品 / 蛍光蛋白質 / 脂肪酸 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年の研究により、ウナギの筋肉から緑色蛍光蛋白質(UnaG)が発見された。UnaGはビリルビンと反応し蛍光を発する。また、UnaGは脳型脂肪酸結合蛋白質(DHAやEPAなどの高度不飽和脂肪酸と親和性が高い)と相同性を持つ。したがって、ウナギ筋由来UnaGとビリルビンを反応させることにより、ウナギ中の高度不飽和脂肪酸量を簡易に測定することが可能となりうる。本研究では、ウナギ筋由来蛍光蛋白質が機能性栄養素を簡易に評価するのに有効であることを明らかにすることを目的とした。ウナギ筋肉中の脂肪酸組成を測定したところ、オレイン酸の割合がDHAよりも高かった。一方、ウナギ筋由来緑色蛍光蛋白質UnaGはFABPファミリーに属するヒト脳型脂肪酸結合蛋白質(hB-FABP)と相同性があり、しかもDHAと高い親和性を持つFABPとして機能するためのドメイン保存されていた。本年度の結果において、ウナギ筋肉中に存在する微量なDHAも測定可能であろうと考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
26年度予定の研究項目であったウナギ筋粗蛋白質の濃度依存的にUnaGが蛍光を発するか現在も検討中であり、至滴濃度の決定に時間を要している。
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Strategy for Future Research Activity |
UnaG蛍光検出法における多価不飽和脂肪酸スタンダードの作成 UnaG蛍光検出法を用いた多価不飽和脂肪酸量の測定のために、DHAやEPAのスタンダードを使用し濃度決定を行う。方法としては、UnaG蛋白質を大腸菌を用いて精製し、DHAやEPAなどの多価不飽和脂肪酸を充分量結合させる。その後、この結合蛋白質を希釈して蛍光強度を測定し、検量線を作成する。これをDHA、EPA濃度決定のスタンダード曲線とする。
UnaG蛍光検出法とガスクロマトグラフィー法による脂肪酸測定量の比較 試料から脂質を抽出し、ガスクロマトグラフィーで多価不飽和脂肪酸量を測定する。一方、UnaG蛍光検出法を用いて蛍光強度を測定し、定量値との比較を行う。脂肪酸量は季節や成長に伴い変動するので、従来法と蛍光検出法により解析を行い、データを集積する。また、UnaGはウナギだけでなくサーモンやゼブラフィッシュにおいても相同性のある蛋白質を有しているため、他の魚種でも蛍光検出法を用いた多価不飽和脂肪酸の検出が可能であるか試みる。
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Causes of Carryover |
蛍光蛋白質を用いた脂肪酸の測定を行う際、ビリルビンの至滴濃度決定に時間を要したため、当初の計画よりも遅れを生じた。その結果、予定している実験の物品費が繰り越しとなった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度の繰越金は物品費に使用する予定である。
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