2014 Fiscal Year Research-status Report
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26660191
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
宮本 英揮 佐賀大学, 農学部, 准教授 (10423584)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
徳本 家康 佐賀大学, 農学部, 助教 (80445858)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 土壌水分 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は,次の2点について検討を行った。 (1)COSMOS基本システムの構築とその動作テスト: 本研究費で購入した中性子検出器,データロガー,消耗品類などを用いて,高速中性子の自動計測システムを構築した後,中性子検出器の校正,自動計測プログラムの作成,電源供給装置の構築などに取り組んだ。そして,構築した計測システムを佐賀大学農学部圃場に設置し,約2か月間の動作テストを行った。 (2)定点土壌水分観測システムの準備: 自作のインターフェイスおよび信号解析プログラム等を利用して,SDI-12型時間領域透過法(TDT)センサーのキャリブレーションを行った。その後,前述のCOSMOSと連動可能な定点土壌水分観測システムを新たに構築し,佐賀大学農学部圃場において動作確認を行った。この「TDT一体型COSMOS」を,平成27年度以降の現地観測に用いることとした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
中性子検出器の故障により,2か月ほどの修理期間を別途要したが,検討予定事項の大半を実施できたことから,順調に進展していると考えた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の主な検討事項は,以下の2点である。 (1)急傾斜地におけるTDT一体型COSMOSの運用: 急傾斜地崩壊危険区域に指定されている佐賀市大和町松瀬地区の急傾斜地に,COSMOSと多数のTDTセンサーを設置して,高速中性子と見かけの誘電率の変動を観測することにより,急傾斜地全体の面および点における水分量の経時変化を明らかにすることを試みる。また,両測定法の測定値を比較することにより,面平均値(COSMOS観測データ)と点データ(TDT観測データ)の挙動の違いを明らかにし,面平均値測定の技術的優位性を明らかにする。 (2)土壌雨量指数とCOSMOS観測データとの比較: 気象庁より,観測対象地周辺の解析雨量および降水短時間予報などのデータを入手し,三段タンクモデルにより,土壌雨量指数の経時変化を求める。そして,この数値とCOSMOSを利用して求めた面平均値とを比較することにより,土砂災害警戒情報の発令基準としての土壌雨量指数の物理的意味や妥当性について検討する。また,急傾斜地のモニタリングを継続してデータを蓄積し,COSMOS観測データに基づく新たな土砂災害情報の発令基準値の提案を試みる。
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Research Products
(5 results)