2014 Fiscal Year Research-status Report
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26660192
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
登尾 浩助 明治大学, 農学部, 教授 (60311544)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
溝口 勝 東京大学, 農学生命科学研究科, 教授 (00181917)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 多孔質体 / 毛管上昇 / 微小重力 / 毛管直径 / 水平浸潤 / ガラスビーズ / 豊浦砂 |
Outline of Annual Research Achievements |
放物線飛行による微笑重力実験を実施した。申請時には、飛行実験を毎年実施する予定であったが、飛行実験に必要な経費が申請時の予定以上であることが判明したので、26年度に一度だけ実施した。微小重力実験には、直径の異なる毛管を使った毛管上昇実験と粒径の異なる多孔質体を使った水平浸潤実験を行った。 毛管上昇実験には、両端を開放した0.4, 0.6, 0.8mm直径の毛管を水溜めに鉛直に立てて行った。微小重力になるとどの直径の毛管においても毛管内の水は急激に上昇して、毛管の上端に達して、毛管の上端に接続したビニールチューブ内に水は侵入しなかった。理論通りに微小重力下の毛管では、毛管の直径に依存することなく水は無限に毛管内を上昇した。 水平浸潤実験では、豊浦砂、直径0.05mmと直径0.6mmのガラスビーズを、直径1cm、長さ5cmの円筒に乾燥密度がそれぞれ1.57, 1.51, 1.57Mg/m3になるように充填して水平方向に設置した。放物線飛行実験が始まると、円筒の片側にポンプで水を供給して水平浸潤を促して後、ポンプを止めた。ポンプを止めると、浸潤はその場で止まって、それ以上はほとんど浸潤しなかった。一方、地上で同様の実験を行ったところ、ポンプ停止後、水は20秒間で約2cm浸潤した。微小重力条件下では、多孔質体中にマトリックポテンシャル勾配がほとんど生じなかった考えられる。 微小重力条件下で毛管上昇高が無限になるにもかかわらず、多孔質体中では毛管上昇がほとんど生じなかった従来の実験結果を反映して、微小重力下では水の水平浸潤がほとんど生じなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
順調に微小重力実験が終了し、毛管上昇については予想通りの結果が得られた。多孔質体への水の水平浸潤実験では、地上実験と異なった現象が確認された。これも、これまでの微小重力実験から予想はされた結果であったが、なぜそうなるのかを解明するためには更に実験を継続する必要がある。
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Strategy for Future Research Activity |
27年度は自由落下塔を使って、毛管の形状の違いが毛管上昇に与える影響を把握する予定である。毛管の形状に毛管上昇が依存するのであれば、微小重力下で多孔質体中で水分が移動しない理由の一つと考えられる。
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Causes of Carryover |
放物線飛行実験の予算額が申請時と大きく異なったので、初年度に予算を集中して放物線飛行実験を実施した。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
自由落下塔を使って毛管の形状が毛管上昇に与える影響に関する実験を行う。
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Research Products
(1 results)