2014 Fiscal Year Research-status Report
葉脈流観測を目的としたバイオスペックルセンサの開発
Project/Area Number |
26660204
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
福島 崇志 三重大学, 生物資源学研究科, 准教授 (00452227)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長菅 輝義 三重大学, 生物資源学研究科, 准教授 (80515677)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 葉脈流 / レーザスペックル / 画像処理 |
Outline of Annual Research Achievements |
精密農業では生産精度の更なる向上を目指し、現行の光合成活性や植生指標、収量予測情報に加え、より多くの植物生理・生育情報を多面的に評価することが必要である。葉の葉脈流は蒸散量や吸水量などの植物の水動態を表現するものと考えられており、間接的に葉の光合成速度、蒸散速度あるいはストレスなどの環境応答を反映する指標となる。しかし、農業現場においては、植物の水動態を非破壊かつ簡易に計測する方法はない。 本研究は、農業生産管理における植物生理情報取得のため、葉脈流の流量・流速や揺らぎを観測可能な実用型バイオスペックルセンサの開発を目指した計測原理の構築を目的とした。 平成26年度では,模擬葉脈を用いて流れ場における観測精度の確認を行った.模擬葉脈では,トレーサ粒子を水の中に流すことを試みたものの予定通りの流れが作れなかった.そのため,気泡を対象とした計測実験を行った.同時に,流れ場の可視化に利用される画像相関法のアルゴリズムを援用し,スペックル画像から流れのベクトルを算出する画像処理プログラムを作成した. 以上の成果から,スペックル画像をもとにした流れの可視化が可能であり,レーザスペックルによる葉脈流の定量化が可能と考えられる.26年度の結果をもとに,屋外での計測システムを構築し,27年度のフィールドでの観測条件等を明らかにするための実験計画を策定する.合わせて,植物の蒸散量との相関を見るための実験についても,研究分担者と協議を始めている.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究は,フィールドにおける実用型のセンサ開発に向けた計測原理の構築を目的としている.そのため1年目においては計測アルゴリズムを構築し,2年目においては屋外計測による精度確認を計画している.26年度(1年目)については,前項のように計画通り計測アルゴリズムが作成され,次年度に向けた協議を始めている点で,順調に進展しているものと評価できる.
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Strategy for Future Research Activity |
葉脈流量の定量化に向けて,平成27年度では,以下の項目について研究を進める. 葉脈観察のための光および画像取得条件の検討 葉脈流計測では、葉への透過光を利用する予定である。レーザ波長によってはスペックル画像の取得精度が異なることが予想されるため、可視光および近赤外の範囲で複数の波長およびレーザ高出力でスペックル画像取得精度を確認する。ただし、レーザ光はクラス2以下の人体・植物への影響がない範囲で選定する。また、流量算出アルゴリズムとの兼ね合いからカメラ画像のフレームレートや解像度設定を検討する。 実際の作物を用いた葉脈流観測 ポット栽培したダイズを用い、チャンバー内で葉脈流のスペックル画像を取得し、光量や温度・湿度条件の影響が実際に葉脈流量の変化に現れるか確認し、前年度開発する流量算出アルゴリズムの妥当性を検証する。また、露地栽培ダイズでは、計測部位の遮光率がスペックル画像取得にどの程度まで許容できるか確認する。
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