2015 Fiscal Year Annual Research Report
異種スペクトル融合による仮想メタボロミクスと食品の熟成モニタリングへの応用
Project/Area Number |
26660206
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Research Institution | National Agriculture and Food Research Organization |
Principal Investigator |
蔦 瑞樹 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 食品研究部門食品分析研究領域, 主任研究員 (80425553)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 非破壊計測 / 蛍光指紋 / 熟成 |
Outline of Annual Research Achievements |
7つの酒造所が醸造した39銘柄の泡盛を供試した. このうち, 常圧蒸留法で蒸留された泡盛は27点, 減圧蒸留法によるものは6点, 古典的な常圧蒸留法である地釜法によるものは6点であった. また, 熟成期間が3年未満の新酒は16点, 3年以上の古酒は23点であった. これらの試料をアルコール濃度10%に希釈し、近赤外分光スペクトル、赤外分光スペクトルおよび蛍光指紋計測に供試した。得られた泡盛試料の分光データを詳細に解析した結果、蛍光指紋を用いた場合に新酒・古酒の識別が最も精度良く行えることがわかった。また、同一試料をSPME-GCxGC-TOFMS分析に供試して得られた約2000の成分ピークデータに対して多変量解析を適用し、熟成により変化する揮発性成分を探索した。その結果、熟成で増加することが知られているバニリンの前駆体である4-vinylguaiacolの他、熟成中に変化する6つの揮発性成分を同定することができた。さらに同定した成分の標準品を入手し、泡盛試料と同様のアルコール濃度10%に調整して蛍光指紋計測を行った。標準品と泡盛試料の蛍光ピーク位置は近接しており、泡盛熟成中の成分変化が蛍光指紋パターンの変化に反映されていることが示唆された。 同様の手法をナチュラルチーズの熟度推定に適用したところ、蛍光指紋を用いると熟成期間を精度良く推定できること、また脂質酸化物やメイラード化合物の変化が蛍光指紋に反映されていることが示唆された。
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[Journal Article] Fluorescence fingerprint as an instrumental assessment of the sensory quality of tomato juices2015
Author(s)
Vipavee Trivittayasil, Mizuki Tsuta, Yoshinori Imamura, Tsuneo Sato, Yuji Otagiri, Akio Obata, Hiroe Otomo, Mito Kokawa, Junichi Sugiyama, Kaori Fujita, Masatoshi Yoshimura
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Journal Title
Journal of the Science of Food and Agriculture
Volume: 96
Pages: 1167-1174
DOI
Peer Reviewed
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