2015 Fiscal Year Annual Research Report
非興奮性細胞におけるNCXを介した細胞機能調節の新規可能性
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26660230
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
東 泰孝 大阪府立大学, 生命環境科学研究科(系), 准教授 (50298816)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
倉本 展行 摂南大学, 薬学部, 准教授 (60324092)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | トランスポーター |
Outline of Annual Research Achievements |
H27年度は、研究計画の着実な実施に向けて以下の実験を行った。NCX1遺伝子ヘテロ欠損マウス、NCX2遺伝子ヘテロ欠損マウス、およびNCX3遺伝子ホモ欠損マウスより調製した細胞を用いて野生型マウスより調製した細胞と比較することで、NCX1、NCX2、およびNCX3の各役割解明を目指した。なお、NCX1およびNCX2遺伝子欠損マウスはホモ欠損では胎生致死がみられたため、ヘテロ欠損マウスを使用した。NCX3遺伝子についてはホモ欠損マウスでも生存可能であった。はじめに、これら3種類のNCX遺伝子欠損マウスについて、一年半齢まで飼育を行ったが、食事量、飲水量および体重増加については野生型と比べて明確な相違は認められなかった。次に、各マウスより骨髄由来マクロファージを用いてグラム陰性菌外膜成分の一つであるリリポポリサッカライド刺激応答に伴う炎症性サイトカイン、インターロイキン(IL)-1beta、TNF-alpha、IL-6およびIL-12産生能をELISAキットにより測定した。しかしながら、測定したすべての炎症性サイトカインについて、3種類いずれの遺伝子欠損マウスにおいても野生型マウスより調製したマクロファージとの間に明確な変動は認められないことが明らかとなった。リリポポリサッカライドの濃度ならびに刺激時間を複数点変えて、同様の解析を試みたが、結果はやはり3種類いずれの遺伝子欠損マウスにおいても野生型マウスより調製したマクロファージとの間に明確な変動は認められなかった。マクロファージにNCXの発現は確認していることは確認済であるため、マクロファージの機能は炎症性サイトカイン産生だけでなく数多く存在するため、他の機能におけるNCXの関与の可能性があるかもしれない。
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