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2014 Fiscal Year Research-status Report

育児放棄/うつ病モデルとしてのアトピー性皮膚炎モデルNC/Tndマウスの有用性

Research Project

Project/Area Number 26660241
Research InstitutionTottori University

Principal Investigator

辻野 久美子  鳥取大学, 農学部, 講師 (10362899)

Project Period (FY) 2014-04-01 – 2017-03-31
Keywords育児放棄 / アトピー性皮膚炎 / ストレス / うつ病 / 疾患モデル / NC/Tndマウス
Outline of Annual Research Achievements

本研究の目的は、アトピー性皮膚炎モデルNC/Tnd(以下NC)マウスの母親マウスに見られる母性行動異常が、近年深刻な社会問題となっている育児放棄・幼児虐待のモデルとなり得るかを検証し、さらに、NCマウスの母性行動異常が起こりやすい状態を究明し、ストレス/うつ病およびアトピー性皮膚炎との関連性を探ることである。
本年度は、NCマウスに対して、他系統のマウスでは問題とならない程度の軽いストレスを与えただけで、有意に育児放棄(子マウスの食殺行動)を引き起こすかどうか検証した。
我々の研究室で観察された冬季繁殖におけるNCマウスの育児放棄の増加は、わずかな室温の低下(軽度寒冷ストレス)が原因であるという仮説のもと、室温19℃および23℃において、NCマウスおよびコントロールとしてBALB/C(以下BALB)マウスの繁殖を行い、育児放棄した母親マウスの個体数(全出産数に対する割合)を比較した。
室温23℃では、NCマウスとBALBマウスとの間で育児放棄個体数に有意な差はみられなかった(15.0%および4.5%)。室温19℃では、両マウスともに室温23℃に比べ育児放棄個体数は増加した(50.0%および14.3%)。しかし、BALBマウスではその増加の程度は小さく、室温23℃における同マウスとの間で育児放棄個体数に有意差は認められなかった。一方、NCマウスではその増加の程度が大きく、同室温におけるBALBマウスおよび室温23℃におけるNCマウスに比べ有意な育児放棄個体数の増加がみられた。この実験結果は、夏季冬季どちらにおいても観察された。
この結果から、NCマウスにわずかなストレスを与えるだけで、効率的に育児放棄モデルを得ることができると考えられた。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

本実験で使用するNC/Tndマウスは、我々研究室にて自家繁殖させている。今年度の実験開始を5月に予定していたが、前年度のNC/Tndマウスの育児放棄個体数多く、実験可能な匹数を実験開始予定の5月に準備することができず、実験開始が9月に延期になったことが、予定よりやや進行が遅れている理由としてあげられる。
しかし、この実験の遅れはわずかであり、来年度には遅れを取り戻すことは可能である。

Strategy for Future Research Activity

本年度の冬季繁殖実験において、NCマウスとBALBマウスの母性行動を詳細に比較するため、授乳行動・グルーミング・巣作り行動・母性攻撃行動などの観察を行った。さらに、母親マウスの精神的不安状態を比較するため、高架式十字迷路試験などを行った。現在、データの統計学的解析中である。
同実験において各個体から24時間蓄尿、血清および脳組織を採取した。これらの組織を用いて、ストレス負荷状態の評価として、コルチコステロン・ACTHおよびカテコルアミンの測定ならびに甲状腺ホルモンの測定を行う。さらに、母性行動において重要な役割を果たすホルモン(エストロゲン・プロゲステロン・プロラクチンおよびオキシトシン)の測定も実施する。
寒冷ストレス以外の他のストレスを負荷した場合においても、NCマウスの育児放棄個体数が増加するかどうかの検証を行う。本年度、予備実験として出産時に飼育室の移動を行ったところ、多くのNCマウスの母親が育児放棄をしたことから、飼育室の不定期な移動をストレスとして繁殖実験を行う予定である。

Causes of Carryover

本年度は、予定よりやや実験の進捗が遅れたため、マウスの繁殖実験および、行動観察や組織採取が主な実施内容となったため、高価な実験試薬および用具の使用がほとんどなかったため、予定よりも使用額が下回った。
次年度は、採取した組織から様々なホルモンの測定を行うため、高価な実験試薬の使用頻度が増えることから、本年度の経費の一部を次年度に持ち越すこととした。

Expenditure Plan for Carryover Budget

コルチコステロン、オキシトシン、プロラクチン、プロゲステロンおよびエストラジオールの測定用のEIAキットを購入する。

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Published: 2016-05-27  

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