2014 Fiscal Year Annual Research Report
犬における血中循環腫瘍細胞検出系の構築と転移予測指標としての有用性の検討
Project/Area Number |
26660243
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Research Institution | Nippon Veterinary and Life Science University |
Principal Investigator |
盆子原 誠 日本獣医生命科学大学, 獣医学部, 准教授 (50343611)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 血中循環腫瘍細胞 / 上皮性腫瘍 / 転移 / 犬 |
Outline of Annual Research Achievements |
血中循環腫瘍細胞(Circulating Tumor Cell, CTC)の計数は悪性腫瘍の転移を予測する上で有益と考えられているが、今のところ臨床的に実用性の高いCTC計数システムは確立していない。本研究では、まずFACS法を用いたCTCの検出・計数プロトコールを目的とした。FACS法による正確なCTCの計数には、血液サンプルから効率的に白血球を除去するシステムを構築する必要がある。そこで癌細胞をスパイクした血液を用いて様々な条件でanti-CD45によるネガティブセレクションを実施したが、微量な白血球の残存があり、FACS法はCTCの計数には理想ではないことが明らかとなった。そこで上皮系組織に特異的に発現しているタンパク質および腫瘍関連タンパク質のmRNAを末梢血から定量的に検出することで、間接的にCTCの存在を明らかにする方法を試みた。その結果、解析した35種類の分子中、CK19, AGR2, IRX3, UPKB1, TACC2のmRNAは健常犬の末梢血から検出されず、モデル癌細胞を加えた末梢血から検出された。とくにCK19およびTACC2については1細胞/1mlの精度で検出できることが示された。このことからCK19およびTACC2は上皮性悪性腫瘍のCTC検出マーカーとして有望であると考えられた。
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