2015 Fiscal Year Annual Research Report
CRISPR/Casシステムを用いた母性因子の探索とその機能解析
Project/Area Number |
26660246
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
青木 不学 東京大学, 新領域創成科学研究科, 教授 (20175160)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 初期発生 / 母性因子 / CRISPR/Cas9 / ノックアウト |
Outline of Annual Research Achievements |
受精後の初期発生の調節に、受精前の卵成長期に蓄えられたmRNAから翻訳される因子(母性因子)が重要な役割を果たしていると考えられているが、その詳細は明らかとなっていない。そこで、本研究においては、近年開発されたRNAシーケンスとCRISPR/Cas9システムを用いて母性因子の網羅的探索とその機能解析を行うための実験系を確立することを目的とした。 前年度に機能が既知の遺伝子(c-Mos)についてノックアウトを試みたところ、効率よくノックアウトができたことから、本年度は母性因子の候補遺伝子をCRISPR/Cas9システムでノックアウトして、その機能を解析することにした。すなわち、RNAシーケンスのデータを用いて、受精前に高発現しており、受精後に速やかに消失するmRNAをコードする遺伝子を母性因子の候補として抽出した。その中から、特にクロマチン構造の調節に関与する機能ドメインが予測される遺伝子を3つ選びだして、CRISPR/Cas9システムによるノックアウトを試みた。その結果、3つの遺伝子ともノックアウトの個体を得ることができた。これらの個体をワイルドタイプのものと交配してモザイクのないヘテロの個体を作成し、さらにこれらを交配することでノックアウトのホモ個体を得た。これらのホモ個体は3つの遺伝子のいずれにおいても成体まで以上なく育ち、更に繁殖能力にも異常がなかった。しかしながら、唯一、Zkscan6のホモ欠失個体においては、ジグザグに尾がまがるkinked tailの表現型が見られた。
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