2015 Fiscal Year Annual Research Report
サルモネラ感染を防御するF(ab)2の新たな機能解析
Project/Area Number |
26660254
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Research Institution | National Agriculture and Food Research Organization |
Principal Investigator |
江口 正浩 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 動物衛生研究部門 細菌・寄生虫研究領域, 上級研究員 (00312215)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | サルモネラ / 液性免疫 / F(ab)2 |
Outline of Annual Research Achievements |
目的:サルモネラ感染防御における液性免疫応答の機能は不明な点が多い。これまでに、我々は、サルモネラ感染防御をマウスに付与できるモノクローナル抗体の作製に国内外の研究機関に先駆けて成功した。本研究では、サルモネラ感染防御における抗サルモネラ抗体の機能解析を実施した。 結果:昨年度、我々は作製したモノクローナル抗体とサルモネラを反応させるとサルモネラの生菌数が低下することを明らかにした。また、電子顕微鏡で抗体と反応させたサルモネラの形状を観察したところ、サルモネラの外膜が変化していることを明らかにした。今年度は、作製したモノクローナル抗体による菌の影響を遺伝子工学的に解析した。作製したモノクローナル抗体とサルモネラを反応させるとLPS合成に関与する遺伝子および代謝系に関与する遺伝子の産生が変化することを明らかにした。また、作製したモノクローナル抗体とサルモネラを反応させた後のサルモネラの運動性を確認したところ、抗体でサルモネラを処理した群はサルモネラの運動性が低下した。以上の結果から抗体がサルモネラと結合することで、サルモネラの代謝機能を変化させ、サルモネラが死滅することが示唆された。
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