2014 Fiscal Year Research-status Report
CRISPR/Cas9ゲノム編集による筋ジストロフィー疾患モデルミニブタの開発
Project/Area Number |
26660258
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
小野 悦郎 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (00160903)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柴田 昌利 静岡県畜産技術研究所, その他部局等, その他 (70501443)
|
Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
|
Keywords | ゲノム編集 / 筋ジストロフィー / 疾患モデル / マイクロミニブタ |
Outline of Annual Research Achievements |
CRISPR/Cas9システムを用いたマイクロミニブタのゲノム編集方法を確立し、既存の動物モデルであるマウスやイヌでの問題点を克服したジストロフィン遺伝子を欠損させた次世代型デュシェンヌ型筋ジストロフィーマイクロミニブタを開発することを目的に以下の実験を実施した。 1)切断標的DNAとなるマイクロミニブタのジストロフィン遺伝子のエクソン23をPCRで増幅し、標的DNAの切断をin vitroで確認するためのDSB-HDRアッセイ用レポータープラスミド pCAG-EGxxFP-DMDEx23を構築した。 2)エクソン23の塩基配列から切断標的となる配列を複数決定し、CRISPR/Cas9ベクターであるpX330に20mer切断標的オリゴヌクレオチド(sgRNA)を挿入し、標的DNA切断プラスミドpX330-DMDEx23を4種類構築した。 3)pCAG-EGxxFP-DMDEx23と各々のpX330-DMDEx23をHEK293T細胞にco-transfectionし、4種類全てのプラスミドが標的配列を切断することを確認し、最も切断効率が良かったpX330-DMDEx23プラスミドをインジェクションに使用することとした。 4)家畜ブタの卵巣から未受精卵子を取り出し、培養することで成熟させた後、体外受精により得た受精卵の前核にpX330-DMDEx23を常法に従いマイクロインジェクションし、胚盤胞まで培養した。その胚盤胞からDNAを抽出し、PCRで目的のDNA断片を増幅し、塩基配列を決定したが、19個の胚盤胞全てにおいてゲノム編集されたことは確認出来なかった。 5)3匹の排卵誘発した雌マイクロミニブタに人工授精して得られた約30個の受精卵の前核にpX330-DMDEx23を常法に従いマイクロインジェクションし、約20個の受精卵を1匹の仮親家畜ブタの卵管に移植したが、受胎しなかった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
1回目のゲノム編集用プラスミドをインジェクションしたマイクロミニブタ受精卵を移植した仮親ブタで、何らかの理由で受胎できず、平成26年度内に産仔を得られなかったため、当初の計画よりもやや遅れていると自己評価した。
|
Strategy for Future Research Activity |
1)引続きゲノム編集用プラスミドのインジェクションを継続する(平成27年5月と6月に各1回実施予定)。 2)異なる部位を切断する2つのゲノム編集用プラスミドのインジェクションについて検討する。 3)ゲノム編集用プラスミドに代わり、sgRNAおよびCas9 mRNAの細胞質へのインジェクションについて検討する。
|
Causes of Carryover |
マイクロミニブタからの受精卵の採取条件の検討に時間を要し、昨秋の発情期において、ゲノム編集用インジェクションを1回しか実施できず、平成27年度にゲノム編集用インジェクションを集中して実施するために、次年度使用額とした。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成27年度は、マイクロミニブタの発情期の春秋各2回のゲノム編集用インジェクションを計画しており、採卵用マイクロミニブタ、仮親ブタ及び飼料の購入に使用する予定である。
|