2015 Fiscal Year Annual Research Report
脾臓と膵臓間葉系細胞の分化転換系を応用した膵臓器官再生支持環境の構築
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26660259
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
後飯塚 僚 東京理科大学, 研究推進機構生命医科学研究所, 教授 (50301552)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 発生 / 再生医学 / 脾臓 / 膵臓 / 間葉系細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
脾臓と背側膵臓の間葉系組織は、同じ間充織から発生し、その後、脾臓原基は膵臓原基と分離し、胃の大湾にそって進展することによって、独立した脾臓が形成される。Tlx1CreER-Venus/CreER-Venus; Rosa26-tdTomatoマウスを用いた解析から、本マウスでは脾臓が形成されないだけでなく、脾臓になるべき間葉系細胞が背側膵臓においてビメンチンおよびデスミン陽性の間葉系細胞として存在することを明らかにしてきた。今年度は脾臓になるべき細胞が膵臓間葉系細胞に変化する機序について、胎仔器官培養系を用いて詳細に検討した。すなわち、脾臓原基が形成される胎齢11.5日にTlx1発現細胞をtdTomatoで標識し、胎齢12.5日の胎児から脾臓原基を含む消化管を取り出し、胎齢14.5日に相当する48時間の間、器官培養を行い、標識された細胞の挙動について観察した。その結果、コントロールでは、tdTomato陽性細胞の方向性を持った移動が認められたが、Tlx1 が欠損した状況では細胞はランダムな動きを示し、方向性が観察されなかった。したがって、Tlx1欠損では脾臓原基と膵臓原基の分離不全あるいは脾臓原基の胃の大湾にそった移動不全が起こり、脾臓になるべき細胞が膵臓の間葉系組織の中に取り残される可能性が示唆された。
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