2016 Fiscal Year Annual Research Report
The search for polyembryogenesis-related genes from the polyembryonic parasitoid
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26660264
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
岩淵 喜久男 東京農工大学, (連合)農学研究科(研究院), 教授 (00203399)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
天竺桂 弘子 東京農工大学, (連合)農学研究科(研究院), 講師 (80434190)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 発生 / 昆虫 / 生殖 / クローン |
Outline of Annual Research Achievements |
キンウワバトビコバチの多胚生殖は、桑実胚の繰り返し起こる分裂と長期にわたるtotipotencyの維持により起こる。本研究はこれら胚子増殖に関わる遺伝子の探索を目的とした。 桑実胚の分裂誘導に関わる遺伝子の探索では、寄生20時間目の桑実胚と寄生70時間目の初期多胚でトランスクリプトーム解析を行い、発現変動遺伝子(FDR<0.05)を調べた。発現変動遺伝子に対して,National Center for Biotechnology Information(NCBI)で公開されている米国の同種の情報をもとにアノテーションを付与した結果、胚子分裂の際、胚細胞群に陥入する体外膜で発現すると推察される遺伝子、一般の動物では初期胚でごく短時間しか発現しない遺伝子などで発現が増強されていることが明らかとなった。桑実胚の分裂は、2細胞期からの培養条件下で、幼若ホルモン(JH)によって促進されることがわかっている。JH処理の効果が見られる寄生後48時間目に発現誘導遺伝子を調べたところ、細胞周期、代謝などに関わる遺伝子で発現が増強されており、全体として、JHの作用は多胚形成の活性化にあることが推察された。さらに最終年度には、totipotencyが維持され多胚増殖が継続して起こっている4齢時の宿主幼虫から摘出した多胚と、胚子増殖が停止し、totipotencyを失い形態形成にスイッチが切り替わる5齢時の宿主幼虫からの多胚で発現変動遺伝子を調べた。その結果、4齢時には発現し、5齢時には発現が見られなくなる遺伝子が15個あり、宿主との関係に関わるものが主であったが、その他に7個の遺伝子がこれまで登録されていない新規の遺伝子であった。これらの結果、本種の多胚生殖は、既存の遺伝子の発現期間の延長と特異遺伝子の発現の両者で制御されていることが強く推定された。これらの成果は論文として投稿を予定している。
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Research Products
(1 results)