2015 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
26660269
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
日下部 宜宏 九州大学, (連合)農学研究科(研究院), 教授 (30253595)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 昆虫 / DNAメチル化 / インシュレーター / 核構造 |
Outline of Annual Research Achievements |
ゲノムの高次構造は厳密に制御されており、その核内収納は転写制御と密接に関係している。前年度までに昆虫細胞におけるDNAメチル化機構とその制御について、カイコDNAメチル基転移酵素軍の諸性質を明らかにし、DNAメチル化により制御を受ける遺伝子を同定した。本年度は、特に、染色体のループ形成に関与し、染色体を別々のドメインに分割することで、ループ外からのエンハンサー作用や、ヘテロクロマチンの無秩序な広がりを抑えるカイコインシュレーター遺伝子群の構造と機能解析を行った。まず、カイコCTCF、CP190遺伝子に加え、ZW5、BEAD32、FAB8、GAGA遺伝子を同定した。これらのインシュレーター機能を解析するために、エンハンサーブロッキング活性を指標としたインシュレーターアッセイ法の構築を行った。このアッセイシステムのUAS部位に、転写活性化因子GAL4-ADや同抑制因子GAL4-Giantをテザリングするとその転写が増減することから、アッセイ系としては機能することが確認できた。そこで、GAL4-CTCFやGAL4-CP190をテザリングしたところ、上流のエンハンサー活性を40%程度抑制することができたことから、インシュレターとして機能していることが示唆された。次に内在性遺伝子のエンハンサーブロッキング活性を指標としたアッセイ系を構築するために、CRISPRiシステムの導入を試みた。まず、遺伝子抑制システムの構築のためにdCAS9-Giant発現ベクターを構築し、核内15遺伝子を標的とするpU6-sgRNA プラスミドの作製を終了した。その内、アポトーシス抑制遺伝子を標的としたCRISPRiをカイコ培養細胞を用いて行ったが、RNAi法と比較してアポトーシス誘導活性は低かった。CRISPRiによる遺伝子抑制の効率化を目的に、現在、dCAS9-Giant発現ベクターの改良を行っている。
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Research Products
(1 results)
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[Presentation] DNA methyltransferase DNMT-1 from Bombyx mori2015
Author(s)
Masato Hino・Takumi Mitsudome・Hiroaki Mon・Masanao Sato・Yoshitaka Suetsugu・Kimiko Yamamoto・Zhiqing Li・Jian Xu・Li Zhu・JaeMan Lee・Takahiro Kusakabe
Organizer
International Symposium on Basic and Applied Research on Sericulture and Insect Sciences
Place of Presentation
韓国大邱市
Year and Date
2015-04-20 – 2015-04-21
Int'l Joint Research