2014 Fiscal Year Research-status Report
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26660273
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Research Institution | National Institute of Agrobiological Sciences |
Principal Investigator |
野田 博明 独立行政法人農業生物資源研究所, 昆虫微生物機能研究ユニット, 研究専門員 (40343991)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡部 賢司 独立行政法人農業生物資源研究所, その他部局等, 研究員 (80414960)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | リケッチア / ツマグロヨコバイ / 共生細菌 / 核内感染 / 精子伝播 |
Outline of Annual Research Achievements |
細胞核内に侵入する特徴を有する共生リケッチアから、それに係わる遺伝子を探索する。そのため、大腸菌に共生リケッチアの遺伝子を発現させ、大腸菌が細胞核に入るかどうかをスクリーニングする。 大腸菌が培地中で増えすぎないように、静菌作用を示す抗生物質の濃度を調べた。テトラサイクリンとカナマイシンにおいて、10μl/ml以上の濃度で菌の増加を抑える効果があった。一方、テトラサイクリンとカナマイシンの培養細胞(NIAS-aff3)への影響を観察したところ、10 μl/ml程度ならば培養細胞には大きな影響は出なかった。培養細胞と大腸菌を同時に培養し、細胞付着標本をつくり、ギムザ染色をした。その結果、僅かではあるが、細胞の中に大腸菌が侵入していた。大腸菌にリケッチアの表層タンパク遺伝子を発現させ、細胞質からさらに核内に侵入できる大腸菌をスクリーニングできると考えられた。 一方、ツマグロヨコバイの共生リケッチアから候補となる遺伝子を選択した。これまでに、ヨコバイのリケッチアの全ゲノムの配列を明らかにしており、タンパク質をコードする遺伝子は1,471と推定された。細菌の表層に近い部分にある蛋白質が働くと想定できるので、細胞膜を通過できると思われるシグナルペプチドを有する 136 の蛋白質を選び出した。その中から、核内侵入に係わる可能性の高いと思われる58個の遺伝子を対象に、その全長をプラスミドに組み込む作業を開始した。pEGFP改変ベクターとpBlueScript IIへのクローニングをおこない、予備的に蛍光遺伝子をクローニングし、蛍光を確認した。現在まで、pEGFPには、12種の遺伝子が、pBlueScript IIには、52種類の遺伝子がクローニングできている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
pEGFP改変ベクターへのクローニングの効率が悪いので、さらにpBlueScript IIを用いてクローニングを進めており、ほぼ順調にクローンがとれている。pBlueScript IIでは、発現量は少ないが、発現は確認できている。
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Strategy for Future Research Activity |
培養細胞と大腸菌の共培養の条件はほぼ確立できたので、核内侵入に係わるリケッチアの遺伝子を早く見つけるために、クローニングの済んだものから、スクリーニングを行う。
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Causes of Carryover |
遺伝子のクローニングと解析を効率的に進められたので、費用の節約ができた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度には、目的とする遺伝子スクリーニングに費用と人件費がかかると考えられるので、そのために使用する。
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