2015 Fiscal Year Research-status Report
CRISPR/Casシステムを用いた遺伝子ノックアウト法の吸汁性昆虫への適用
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26660274
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Research Institution | 国立研究開発法人農業生物資源研究所 |
Principal Investigator |
松本 由記子 国立研究開発法人農業生物資源研究所, 加害・耐虫機構研究ユニット, 主任研究員 (80414944)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | Parental RNAi |
Outline of Annual Research Achievements |
Parental RNAiと同様の手法でCRISPR/Cas9を行う計画があるため、ツマグロヨコバイでのParental RNAiが効果が実際にあるかの確認を行った。 ツマグロヨコバイ表皮で発現し、表皮の硬化や色素沈着に関与すると考えられるラッカーゼ遺伝子(NcLac2)と、唾腺で高発現している機能未知遺伝子のひとつ (comp_3975, Matsumoto et al., 2014. J. Insect Physiol. 71: 170-176)を用いた。メス成虫へのdsRNAのインジェクション (個体当たり 1.5-9 ng/uL)によって、次世代1齢幼虫での遺伝子発現量は、NcLac2遺伝子で7.4-9.1%、comp_3975で4.5-5.6%に減少した。NcLac2 parental RNAi により次世代の1齢幼虫では表皮の体側にある色素が消失もしくは退色、また最初の脱皮より前に大部分の次世代1齢幼虫が死亡するという結果となり、parental RNAiはツマグロヨコバイで効果があることが示された。インジェクションの効果は、インジェクション後12-14日後に産卵され孵化した次世代幼虫でも継続していた。comp_3975については次世代幼虫の生存率に大きな影響は見られなかった。これらをまとめて論文とした (Matsumoto and Hattori, 2015. Arch. Insect. Biochem. Physiol., 91: 152-164)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初、NcLac1s遺伝子を使用する予定であったが、検討の結果 parental RNAiでも表現型がはっきり出たNcLac2遺伝子も合わせて使用することとした。
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Strategy for Future Research Activity |
CRISPR/Cas9にNcLac2遺伝子を使用予定である。
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Causes of Carryover |
CRISPR/Cas9実験自体はやや遅れたため
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
CRISPR/Cas9キット、抗体など新規に購入予定
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