2014 Fiscal Year Research-status Report
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26660276
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
二橋 亮 独立行政法人産業技術総合研究所, 生物プロセス研究部門, 主任研究員 (50549889)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | シオカラトンボ / 体表微細構造 / 紫外線反射 / 構造色 / 体色変化 |
Outline of Annual Research Achievements |
日本人に馴染みの深いシオカラトンボは、成熟過程でオスが麦わら色から白~水色へと変化する。申請者は、シオカラトンボのオスは、体色変化の際に、Wax を分泌して体表の微細構造を変化させ、同時に強力なUV 反射能を獲得することを発見した。本研究では、真夏の日差しに強いシオカラトンボの体表Wax 構造の合成・輸送経路の分子基盤を解明し、生物素材としての応用の可能性を探ることを目的とする。平成26年度は、GC-MS解析により、成熟オスで多く産生される物質の候補を特定することができた。また、体表Waxによる撥水性の評価についても、概ねまとめることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究のメインの目的である、体表Wax成分の同定について、順調に研究が進捗している。一方、候補物質の合成に関しては難航したため、次年度以降は抽出物を用いたアッセイなどを検討する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
平成26年度は、主に成熟個体の腹部背側に着目した解析を進めたので、平成27年度以降は、未成熟個体の解析や腹部腹側での解析を進めるとともに、Wax産生や輸送に関わる候補遺伝子の解析も進めたいと考えている。
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Causes of Carryover |
平成26年度は、当初予定していたWax成分の合成が難航したため、その分の経費が繰り越しになった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成27年度は当初の申請書の研究計画に比べ実際の交付額が60万円少ないため、当初の研究計画にあったように遺伝子解析用の費用に充てる予定である。
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