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2014 Fiscal Year Research-status Report

低温プラズマによるバイオリファイナリー技術創出の試み

Research Project

Project/Area Number 26660280
Research InstitutionKyoto University

Principal Investigator

南 英治  京都大学, エネルギー科学研究科, 助教 (00649204)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 坂 志朗  京都大学, エネルギー科学研究科, 教授 (50205697)
Project Period (FY) 2014-04-01 – 2017-03-31
Keywordsバイオマス / 再生可能エネルギー / プラズマ / セルロース / 油脂
Outline of Annual Research Achievements

本年度には、低温プラズマ中でのバイオマスの反応及び分解挙動を明らかにすることを目的に、グロー放電プラズマ反応装置を試作した。その結果、20Wの電力でグロー放電プラズマを安定に生成することができ、反応室内温度は50℃以下であった。
意図した反応装置が試作できたので、無灰定量濾紙をセルロース試料としてプラズマ処理(窒素雰囲気/100Pa)を行い、その分解挙動を検討した。その結果、低温条件であるにも関わらず、6時間のプラズマ処理によって約8.2wt%のセルロースが分解することがわかった。さらに、生成物としてグルコース、セロオリゴ糖及びそれらの分解物などが確認された。グルコースのような加水分解物が生成する機構は今のところ明らかにされていない。なお、セルロースは絶縁体であるため、試料を配置した箇所にはプラズマ電流は流れない。その一方、セルロース試料の形状や配置を変えても分解挙動は変化しなかった。従って、グロー放電プラズマ中でのセルロースの分解は、電子や正イオンではなく、中性粒子(ラジカルや励起分子)に起因している可能性が示唆された。
なお当初計画では、本年度には主に水素または酸素雰囲気下での油脂のプラズマ処理を検討する予定であったが、研究室移設の影響などにより当研究で使用する局所排気設備が確保できなかった。そのため、本年度には空気雰囲気下でのオレイン酸の処理実験を予備的に実施するに留め、前倒しでセルロースの検討を実施した。
今後、より効率的にセルロースを分解する処理条件を検討するとともに、リグノセルロースや油脂の反応及び分解挙動を検討する。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

計画どおりグロー放電プラズマ反応装置を試作し、意図通りの動作を確認することができた。さらに、油脂よりも前倒しでセルロースの検討を行うなど、研究計画を一部変更したものの、50℃以下の低温にてセルロースの分解が起こることを実証し、低温プラズマ処理のポテンシャルを示すことができた。

Strategy for Future Research Activity

より効率的にセルロースの分解を行うための処理条件を検討する。特に、雰囲気を酸素や水に変えた場合の分解挙動の変化を詳細に調べる。
一方、セルロースの他、リグニン、ヘミセルロース、さらにはその複合体であるリグノセルロースの分解挙動を明らかにするとともに、油脂のプラズマ処理も計画通り検討する。

Causes of Carryover

平成27年度の助成金は70万円と少ないため、種々の試薬などの購入が可能になるように未使用額(約10万円)を捻出した。

Expenditure Plan for Carryover Budget

次年度使用額(約10万円)は、主に水素ガスや酸素ガスの購入に用いる予定である。

URL: 

Published: 2016-05-27  

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