2015 Fiscal Year Annual Research Report
メラノーマはexosomeを介して腫瘍免疫に抵抗するか?
Project/Area Number |
26660294
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
野口 俊助 山口大学, 共同獣医学部, 准教授 (10701295)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | Exosome / microRNA-205 / CD9 |
Outline of Annual Research Achievements |
Exosomeの挙動を解析するため、exosomeのマーカーの一つとしてしられているCD9とGFPの融合タンパクを発現させるプラスミドベクターpEGFP-N1/CD9を作製した。このベクターをヒトメラノーマ細胞A2058に導入し、安定的に発現する細胞株を樹立した(A2058/CD9/GFP)。A2058/CD9/GFPの培養上清よりexosomeを回収し、A2058細胞の培養上清に添加すると細胞内にexosomeが取り込まれてることを共焦点顕微鏡で確認した。 また、将来的にexosomeを核酸医薬のドラッグデリバリーシステムとして利用することを想定し、A2058/CD9/GFP細胞にpEP-hsa-mir-205ベクターを導入し、miR-205高発現株A2058/mir-205/CD9細胞を作製した。miR-205はメラノーマにおいて低発現するがん抑制microRNAの1種である。real time RT-PCRにより、A2058/mir-205/CD9由来exosomeにはmiR-205が豊富に含まれることが明らかとなった。また、このexosomeをタンパク量として1μg、A2058細胞培養上清に添加、24時間後にたんぱく質を抽出し、ウェスタンブロッティングにてmiR-205の標的遺伝子であるBCL2の発現を検証したところ、その発現量の低下が認められた。したがって、exosomeに内包されたmiR-205は細胞内に取り込まれ、機能することが示唆された。 今後は、GFP発現exosomeをマウスに経口投与し、その体内動態を検証することで、exosomeを用いた核酸医薬のドラッグデリバリーシステム開発の基盤とする予定である。
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