2014 Fiscal Year Research-status Report
プログラムドハイブリダイゼーションによる分子アンサンブルの化学反応制御
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26670009
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Research Institution | Microbial Chemistry Research Foundation |
Principal Investigator |
熊谷 直哉 公益財団法人微生物化学研究会, 微生物化学研究所, 主席研究員 (40431887)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 有機化学 / ハイブリダイゼーション / 触媒 / 分子アンサンブル |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の主眼は,動的反応制御素子のデザイン・開発を機軸として,多成分分子アンサンブル中での精密化学反応制御を可能にする方法論を確立し,最終的には多成分複雑開放系である生命化学現象の化学反応的理解を目指すものである。従来型の化学反応研究が扱っていない研究対象であるため,メカニズムの異なる化学反応を時空間分解しながら縦横に随意発現させる機構として,制御シグナルを介した配列特異的ハイブリダイゼーションにより機能制御された触媒素子を提案し,随意発動させることで高精度な適時反応統制を可能にする系の構築を目指す。今年度は、3連水素結合型分子認識が可能となるユニットを組み込んだ光異性化能を有する触媒素子の合成を試みた。ADD型の水素結合ユニットとしてイミダゾール含有ウレアを採用し、対応するDAA型ユニットとして2-アミノ-8-アザキノリンを用い、6原子の直鎖リンカーを介して中央のアゾベンゼンユニットに連結させた。まずは触媒機能を持たずにアゾベンゼンユニットのE/Zによる両水素結合ユニットの分子間会合/分子内会合のスイッチング検討をした。Z体の安定性が低く、低温・遮光下においても迅速なE体への異性化が見られたため、アゾベンゼンユニットをZ体の安定性が高いテトラフルオロアゾベンゼン体へと変更することとした。フルオロ置換により各種カップリング反応の進行が妨げられ合成は難航したが、綿密な検討の結果望みの触媒ユニット合成の目処が立った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
デザインした触媒素子は多くの極性官能基を有する大型分子であるため合成に困難が予想されたが、テトラフルオロ誘導体を含む触媒素子の合成に目処がたち、27年度での触媒機能導入の研究に大きく貢献すると思われる。
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Strategy for Future Research Activity |
前年度でテトラフルオロフルオロ誘導体を含む触媒素子の合成に目処が立った。本年度はスケールアップして最終体を合成し、E/Z異性化による両水素結合ユニットの分子間会合/分子内会合のスイッチングを検討する。リンカー長も含めた最適化を施し適切なスイッチング能を確認した後、2-アミノ-8-アザキノリンユニット側に触媒機能官能基を導入し、触媒機能のON/OFFを精査する。
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Causes of Carryover |
金額が少額だったため、次年度消耗品費購入に充当する。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
通常使用の試薬等に充当する。
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Research Products
(5 results)