2015 Fiscal Year Annual Research Report
高深度プロテオミクスによるヒトプロテオーム完全解析
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26670015
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
石濱 泰 京都大学, 薬学研究科(研究院), 教授 (30439244)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | プロテオーム / 質量分析 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、(i) 高分離能直交間引き法の確立、(ii) メートル長C18逆相シリカモノリスカラムを用いたLC-MSシステムの高性能化、(iii) ヒト培養細胞試料への適用 を行い、ヒトプロテオーム完全解析のためのシステムを確立することを目標としている。前年度用いた非イオン性官能基をシリカモノリス骨格に修飾したHILICナノシリカモノリスカラムによる前分画では限界があり、本年度は、両性イオン型官能基をシリカモノリス骨格に修飾し、間引き法によるヒトプロテオーム完全解析の確立に向けた検討を行った。まずは、作製したHILICモノリス型シリカカラムの性能評価を行ったところ、長さ4 mのカラムは12時間のグラジエント条件下で最高性能を発揮し、平均ピークキャパシティーPcは336であった。これは、高い分離性能をもつ長さ2 mのRPLCモノリス型シリカカラムを用いて4時間のグラジエント条件下でHeLa細胞トリプシン消化ペプチドの分析を行った際のPc(317)と同等であった。本カラムを用いて間引き法で解析を行った。12時間中1時間幅の画分を取得し、その画分について、長さ2 mのRPLCモノリス型シリカカラムを用いて4時間のグラジエント条件下でLC-MS/MSを行ったところ、5080タンパク質(17694ペプチド)が同定された。一方、前分画を行わない全画分試料について同一条件で測定を行ったところ、同定数は3484タンパク質(21598ペプチド)にとどまった。つまり、従来法と比較して本手法の同定ペプチド数は18%減少していたにも関わらず、同定タンパク質数は46%増加していた。グラジエント分析1時間あたりのタンパク質同定効率は871から1270へ向上した。以上のことから、間引き法がヒトプロテオーム解析法として、深度と高速性に優れた手法であることを示すことができた。
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Research Products
(3 results)