2014 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
26670017
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
山田 健一 九州大学, 薬学研究科(研究院), 准教授 (60346806)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 薬学 / 生体分子 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、これまでの研究成果をもとに「レドックスを制御することで肥満症の発症メカニズムを解析し、その予防・治療法を提案すること」、ならびに、「酸化還元反応を制御できる新たな化合物も開発・探索」を目的としている。 以下、各項目につき研究計画を示す。 ① レドックス不均衡の改善:本研究は、試験管内での酸化還元電位を基に、生体内反応を制御するために、まずツール化合物として安定スピン化合物を用いて検討した。その結果、高脂肪食摂取による肥満症モデルマウスで、化合物投与により増加した体重は有意に減少し、肝臓内でのNAD+/NADH比は増加した。また、その反応制御経路として、2つ存在する可能性が細胞実験にて明らかとなった。 ② 新規化合物の開発:本コンセプトは、酸化還元電位をうまく生体内反応に一致させた化合物を開発し、実際に応用することである。そこで、ツール化合物とは異なる酸化還元電位を有する化合物を新たに5種類合成した。また、次年度以降の研究に向け、スクリーニング系の構築を開始した。 以上の検討結果を踏まえ、次年度以降は、発症メカニズムの解析とスクリーニング系を用いた候補化合物の探索を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度の検討により、酸化還元電位をうまく生体内反応にあわせることで、肥満症を改善できること、一方で新規化合物を開発できたことから、本研究の全体目標に向け、順調に進展していると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、スクリーニング系の構築し、実際に化合物の選別を行うことを目的とする。また、ツール化合物を用いた肥満症制御メカニズムの解明を進める。
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