2015 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
26670021
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
青木 淳賢 東北大学, 薬学研究科(研究院), 教授 (20250219)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | リゾリン脂質 / 脂肪酸 / LC-MS/MS |
Outline of Annual Research Achievements |
2-アシルリゾリン脂質の機能を解析する目的で、まず、1-アシルリゾリン脂質と2-アシルリゾリン脂質の分離定量系を確立した(J Lipid Res 2014)。まず、リゾリン脂質をpH4の産生メタノールで処理することにより、2-アシルリゾリン脂質から1-アシルリゾリン脂質への非酵素的な転換反応を完全に抑制することを見出した。また、逆相系のHPLCを用い、1-アシルリゾリン脂質と2-アシルリゾリン脂質を分離した。最終的に、LC-MS/MSを用いる1-アシルリゾリン脂質と2-アシルリゾリン脂質の分離定量系が確立できた。
2-アシルリゾリン脂質の機能を知る目的で、2-アシルリゾリン脂質の産生酵素であると考えられる細胞内ホスホリパーゼA1(PLA1)を細胞に過剰発現させた。そのために、まず、細胞内型PLA1(iPLA1)に着目し、iPLA1α、γをHEK293細胞に過剰発現させ、上記のLC-MS/MSを用い、リゾリン脂質の産生を解析した。しかし、予想に反して、単に細胞にiPLA1を過剰発現させてだけではその産物であるリゾリン脂質の産生を検出することはできなかった。しかし、Acyl-CoA合成酵素阻害剤やLPLAT阻害活性を持つと考えられるAcyl-CoA Cholesterol Acyltransferase (ACAT) 阻害剤を細胞に加えることではじめてiPLA1の酵素活性依存的なリゾリン脂質の蓄積、すなわち、酵素活性を検出できることがわかった。以上の結果から、細胞内ではiPLA1が常に内在性のリゾリン脂質を産生しており、一方で、産生されたリゾリン脂質は速やかにリゾリン脂質アシルトランスフェラーゼで脂肪酸が付加されることが明らかとなった。
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[Journal Article] Possible involvement of minor lysophospholipids in the increase in plasma lysophosphatidic acid in acute coronary syndrome2015
Author(s)
Kurano M, Suzuki A, Inoue A, Tokuhara Y, Kano K, Matsumoto H, Igarashi K, Ohkawa R, Nakamura K, Dohi T, Miyauchi K, Daida H, Tsukamoto K, Ikeda H, Aoki J, Yatomi Y.
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Journal Title
Arterioscler Thromb Vasc Biol
Volume: 35
Pages: 463-470
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Acknowledgement Compliant
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