2014 Fiscal Year Annual Research Report
ゲノム不安定性を示すがん細胞を標的とした抗がんアプローチの確立
Project/Area Number |
26670026
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
黒田 垂歩 三重大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (00391946)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
橋詰 令太郎 三重大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (50456662)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | がん / ゲノム不安定性 / 抗癌剤 |
Outline of Annual Research Achievements |
<目的>がん治療を著しく難しくしている要因に、腫瘍の転移や多剤薬剤耐性があるが、 これらの原因として、がん細胞のゲノム不安定性がある。本研究は、ゲノム不安定性を示すがん細胞を標的とした抗がんアプローチの確立を目指すものである。 ヒトのがんの大部分が、ゲノム不安定性(染色体数の増減および転座の頻度上昇)を示す。一般 に、ゲノムの不安定性が高いがん細胞ほど悪性度が高い傾向にある。このゲノム不安定性はがん細胞に特徴的なものであり、正常細胞にはほとんど見られない。従ってゲノム不安定性は、がん細胞選択性の標的となり得る性質である。しかしながらこれまでに、ゲノム不安定性をがんの標的と捉えた創薬研究は、未だ成功していない。その最大の要因は、ゲノム不安定性を呈する適切なモデル細胞株の不在である。 <結果>ゲノムが安定な大腸がん細胞株 HCT116(二倍体)の染色体を“倍化”させる事により、 ゲノム不安定性のモデルとなるがん細胞株(四倍体)の樹立に成功した。実際、四倍体 HCT116 は二倍体 HCT116 に比べて、細胞分裂時の染色体分配の失敗の頻度が顕著に上昇した(Anaphase FISH により定量)。また染色体の構造的異常(転座、マーカー染色体、リング染色体など)の出現頻度も上昇した。この四倍体細胞株を使い、ゲノム不安定性を示す細胞を特異的に殺すshRNAをスクリーニングした。対照には二倍体細胞株を用いた。 <今後の展開> スクリーニングの結果得られたshRNAについて、その効果の再現性やオフターゲット効果の有無を今後検討していく必要がある。
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[Journal Article] Degradation of activated K-Ras orthologue via K-Ras-specific lysine residues is required for cytokinesis.2014
Author(s)
Sumita K, Yoshino H, Sasaki M, Majd N, Kahoud ER, Takahashi H, Takeuchi K, Kuroda T, Lee S, Charest PG, Takeda K, Asara JM, Firtel RA, Anastasiou D, Sasaki AT.
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Journal Title
J. Biol. Chem.
Volume: 289
Pages: 3950-3959
DOI
Peer Reviewed