2015 Fiscal Year Annual Research Report
転写調節因子を指標としたミクログリア制御薬探索法の確立
Project/Area Number |
26670036
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
香月 博志 熊本大学, 大学院生命科学研究部(薬), 教授 (40240733)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | ミクログリア / 核内受容体 / 転写因子 / ケモカイン / サイトカイン / MAPキナーゼ |
Outline of Annual Research Achievements |
脳内のミクログリアは状況によって複数の異なる活性化状態を取り、中枢神経組織の病理形成・修復過程において重要な役割を担う。本研究では、転写調節因子IRF-4の発現亢進作用等を指標として、新規の作用機序に基づく神経疾患予防・治療薬候補を見出すことを目的とした。今年度は、薬物スクリーニング系の構築を進めるとともに、リガンド依存性転写調節因子として機能する核内受容体によるミクログリア表現型の調節機構について詳細な解析を進めた。(1) ミクログリア系BV-2細胞をLPSで刺激すると、ケモカインCXCL2の発現が著明に亢進した。レチノイン酸受容体(RAR)アゴニストであるAm80(タミバロテン)を24時間前から処置しておくと、LPS誘導性のCXCL2発現が有意に抑制された。この時Am80は、LPSにより動員されるMAPキナーゼ系シグナルに対して作用を示さなかったが、NF-κBの発現量を有意に低下させ、またLPS刺激に伴うNF-κBの核内移行を著明に抑制した。これらの結果は、ミクログリアにおけるNF-κBシグナル抑制系としてのRARの重要性を示唆する。(2) ビタミンD3およびレチノイドX受容体(RXR)アゴニストHX630は、LPSで刺激されたBV-2細胞におけるiNOSおよびIL-6の発現を協同的に抑制した。一方で、IL-1βの発現に対してはビタミンD3のみが抑制効果を示した。またビタミンD3とHX630はいずれもLPS刺激により誘発されるERKの活性化を抑制した。ERK阻害薬がLPS刺激に伴うNF-κBの核内移行を抑制したことなどから、ビタミンD受容体やRXRは主としてERKシグナルの抑制を介してミクログリアのM1型フェノタイプを抑圧することが示唆された。
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Research Products
(27 results)
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[Journal Article] Effects of cyclodextrins on GM1-gangliosides in fibroblasts from GM1-gangliosidosis patients.2015
Author(s)
Maeda Y, Motoyama K, Higashi T, Horikoshi Y, Takeo T, Nakagata N, Kurauchi Y, Katsuki H, Ishitsuka Y, Kondo Y, Irie T, Furuya H, Era T, Arima H.
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Journal Title
Journal of Pharmacy and Pharmacology
Volume: 67
Pages: 1133-1142
DOI
Peer Reviewed
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