2014 Fiscal Year Annual Research Report
NMR信号増幅法による海洋マクロリドの活性発現機構と立体化学の解明
Project/Area Number |
26670045
|
Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
津田 正史 高知大学, 教育研究部総合科学系, 教授 (10261322)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小椋 賢治 石川県立大学, 生物資源環境学部, 教授 (50270682)
ULANOVA Dana 高知大学, 教育研究部総合科学系, 助教 (70610129)
|
Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2015-03-31
|
Keywords | マクロリド / 殺細胞活性 / 細胞増殖促進活性 / 渦鞭毛藻 / 動的核偏極 |
Outline of Annual Research Achievements |
イリオモテオリド-1aは、海洋産のアンフィジニウム(Amphidinium)属渦鞭毛藻より単離した20員環マクロリド化合物であり、強い殺細胞活性とin vivoで抗腫瘍性を示す。本研究ではDNP超偏極による“NMR信号増幅法”を駆使して、イリオモテオリド-1aの強い殺細胞活性の作用発現の分子メカニズムを調べることを目指した。 研究代表者の保有するAmphidinium属渦鞭毛藻のトルエン抽出物より分離を試みた。100L培養で得られた藻体を抽出した後、抽出物あるいは各種カラムクロマトグラフィー分離を行ない、イリオモテオリド-1aおよび新規化合物としてイリオモテオリド-2a、アンフィリオニン-4aを単離精製した。イリオモテオリド-1aは、チューブリンやアクチンを用いた表面プラズモン共鳴での結合実験で、チューブリンとの結合能を有することが示されたことから、チューブリンの重合阻害活性試験を行ったところ、ビンブラスチンと同様に阻害活性を示した。さらに細胞周期阻害活性試験において、G2/M期に集積し細胞分裂阻害を示すことからも、イリオモテオリド-1aの強い殺細胞活性は、チューブリンの重合阻害によるものと予想された。DNP超偏極イリオモテオリド-1aを用いたチューブリン結合実験を行ったところ、既知のチューブリン作用分子に超偏極転移が観察されておらず、より一層の検討が必要である。 アンフィリオニン-4aは、テトラヒドロフラン環、2つのエポキシ環、ジケチド、トリケチド、4つのC1分岐、2つのヒドロキシル基を有する炭素鎖22からなる低分子ポリケチド化合物であり、全絶対立体配置を含めた化学構造を帰属した。アンフィリオニン-4aは、マウス骨髄間葉系細胞ST-2に対して強い細胞増殖促進活性を示した。イリオモテオリド-2aは、新規23員環マクロリドであり、強力な殺細胞活性を示すことがわかった。
|
-
-
[Journal Article] Amphirionin-4 with Potent Proliferation-Promoting Activity on Bone Marrow Stromal Cells from a Marine Dinoflagellate Amphidinium Species.2014
Author(s)
Mika Minamida, Keiko Kumagai, Dana, Ulanova, Mai Akakabe, Yuko Konishi, Akira Tominaga, Hidenori Tanaka, Masayuki Tsuda, Eri Fukushi, Jun Kawabata, Atsunori Masuda, Masashi Tsuda
-
Journal Title
Organic Letters
Volume: 16
Pages: 4858-4861
DOI
Peer Reviewed / Acknowledgement Compliant