2014 Fiscal Year Research-status Report
ユビキチン結合酵素E2に対する特異的阻害物質の探索と創薬戦略
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26670047
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
塚本 佐知子 熊本大学, 大学院生命科学研究部, 教授 (40192190)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | ユビキチン修飾系 / E2 / UBE2S |
Outline of Annual Research Achievements |
ユビキチン修飾系はE1/E2/E3の酵素群から構成され、多様な機構でタンパク質機能を調節することにより、多彩な生命現象の制御に中核的役割を果たす。そして、ユビキチン修飾系の多様な機能は、多様なE2やE3の働きにより形成されるポリユビキチン鎖の構造的多様性を分子基盤としている。本研究では、未解明な部分が多いユビキチン修飾系の多様な機能の分子基盤を解明するための分子ツールとして、K11-ユビキチン鎖の形成に対する阻害物質を天然資源から探索することを目的とている。K11-ユビキチン化に関与するE2はUBE2Sである。UBE2Sの活性は、ATP存在化に、E1、UBE2S及びユビキチンを反応させ、形成されるジユビキチンをSDS-ポリアクリルアミド電気泳動後のタンパク質染色で検出することにした。平成26年度は、スクリーニングのためのアッセイ系を確立した。また、既に確立したK63-ユビキチン化阻害物質に対するアッセイ系を用いて新たな阻害物質の探索を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定通り、K11-ユビキチン化に対する阻害物質を検出するためのアッセイ系を確立することができたので、おおむね順調であるといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
確立したK11-ユビキチン化阻害物質探索のためのアッセイ系を用いてスクリーニングを行ない、天然資源からK11-ユビキチン化阻害物質を探索する。また、K63-ユビキチン化阻害物質については、既にleucettamol A (Tsukamoto et al., Bioorg. Med. Chem. Lett. 18, 6319-6320, 2008) とmanadosterol A (Tsukamoto et al., J. Nat. Prod. 75, 1495-1499, 2012) を海綿から発見しているが、引続き、新たな阻害物質の探索を継続する。
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Causes of Carryover |
平成26年度は、スクリーニングのためのアッセイ系を確立することができたが、まだ、実際に天然資源からK11-ユビキチン化阻害物質を探索し、阻害物質に関する作用についての研究に至ってはいない。そのため、次年度使用額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成27年度は、天然資源からK11-ユビキチン化阻害物質を探索し、阻害物質に関する作用についての研究を実施する。次年度使用額は、そのための研究に使用する。
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