2015 Fiscal Year Research-status Report
微生物の生物機能を用いた次世代ケミカルプロセスの構築
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26670048
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Research Institution | University of Shizuoka |
Principal Investigator |
野口 博司 静岡県立大学, 薬学部, 教授 (60126141)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡辺 賢二 静岡県立大学, 薬学部, 准教授 (50360938)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | シアノバクテリア / 生合成 / 光合成細菌 / 天然物 |
Outline of Annual Research Achievements |
シアノバクテリが生産するSaxitoxinは麻痺性貝毒としてよく知られているが、その生産菌は限られた数種に限られる。しかしながら、分子遺伝学的研究が進んだ生産菌はさらに少数にとどまる。我々は、saxitoxin生産菌とされるシアノバクテリアAnabaena circinalisを培養した後、得られた培養液の分析によってsaxitoxinを検出することに成功した。ポジティブモードでの質量電荷比が300のイオンを選択的に観測した。多くのピークが観測されたため、MS/MS分析によるsaxitoxinのピークの特定を行った。文献に記載のある204の分子イオンでMS/MSクロマトグラムの表示した結果、RT8.4に大きなピークを検出した。そこで、フラグメントイオンの検出パターンを確認した。その結果、質量電荷比が282, 266, 258, 221, 204などのフラグメントイオンが観測され、文献値との比較したところそれらの分子イオンピークが一致した。これによって、今後、シアノバクテリアを用いたsaxitoxinの生合成研究を遺伝子破壊実験によって行う時に、目的のsaxitoxin生合成遺伝子が破壊できたかどうかの判断にsaxitoxin由来のピークの消失を重要な判断材料とすることができる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
目的の化合物を生産するシアノバクテリアの培養条件の確立および培養液からの分離分析方法を構築できたため。
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Strategy for Future Research Activity |
本シアノバクテリは振盪培養による高密度増殖を行うことができない微生物である。そこで生合成遺伝子を他のシアノバクテリア種を含む発現宿主系によって、目的化合物の大量生産系を構築することを目的としている。そういった目的を達成するためには、生合成遺伝子の解析が必要となるのだが、これには形質転換および薬剤耐性などを用いた単一コロニーの獲得(クローン化)技術が必要不可欠となる。そこで、クローン化に必須である固体培地での簡便な培養方法を確立する。
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